Web Site Photo Essay Series “Shimura Hiroshi Cambridge Journal”
ケンブリッジ通信
  
第8号 ・ 2001年8
月10日発信 ・ 10 August 2001 Issue・ Vol. 8







英国ケンブリッジに永住し、シルクスクリーン版画作家・映像アーティスト・ビデオ・エッセイストとして
創作活動を続ける志村博
が、グランチェスターのアトリエから発信する “イギリス在住 映像エッセイ”

発信元/写真・文・デザイン: 志村博


夏のグランチェスター・メドーは“地上の楽園”

1万メートル上空から赤外線映像で覗いた雲の夏景色


霧雨を吹き飛ばした Japan2001 ケンブリッジ祭り



夏のグランチェスター・メドーは“地上の楽園”






今年のイギリスの夏は比較的暑かった。 暑いと言っても気温30度になれば大騒ぎである。
湿度は低い為、蒸し暑さはなく爽やかで、このような暑い夏をこちらでは“Good Summer”と言う。
人々は陽気に明るく開放的になり、笑顔があふれ、上着を脱ぎ捨てると、野外に飛び出す。
街中でも、ちょっとした緑地や公園があると、降り注ぐ紫外線も物とせず、草の上に腰を下ろす。

ここグランチェスター・メドーでも、Good Summerの休日になれば大変な賑わいになる。
人々はピクニック・ランチなどを用意し、
街からケム川をパントと呼ばれる平底舟に乗り、
または川沿いのフットパスをのんびり歩きながら、3キロの道のりをグランチェスターにやってくる。
ティー・ガーデンでお茶を飲む人や、パブで一杯やる人など、様々に
Good Summerを愉しむ。

しかし、ここでの最高の楽しみは自然との触れ合いであろう。 川沿いの牧草地に寝転び、
水と戯れ、舟で遊ぶ。 草原を渡る風は清々しく、太陽は真夏でも、頭上から照りつける事はない。
家族連れはまるで自分の家にいるかのように寛ぎ、恋人達は人目を憚らず愛を確かめ合う。
若者達のグループは川に飛び、はしゃぎあっている。 こんな風にメドーで日がな一日過ごす。




 このHPを制作しているのは8月に入ってからである。 今は平年並みの気温に戻り、気温20度前後に
落ち着いた。
既に牧場はすっかり初秋の風情である。 ここに立った人はみんな「もう夏は終ったな。」と
つぶやく。 グランチェスター・メドーには、またもとの静けさが戻って来た。

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1万メートル上空から赤外線映像で覗いた雲の夏景色






ケンブリッジ通信・第5号で“1万メートル上空から見た雪と氷のアート・ワーク”のレポートを発信した。

冬の日本行きの際に、飛行機の窓から撮影した北極圏の流氷や冬景色がテーマであった。
1万メートル上空からでも、当然ではあるが、冬景色と夏景色とは全く違う。 夏になれば、北半球は
熱せられ、大気は不安定になり、水蒸気の量も多くなる訳で、
ダイナミックな雲の風景が見られる。

7月中旬、日本からイギリスへの帰路のフライトで、偶然ではあるが赤外線撮影機能の付いた
カメラを持って搭乗した。 以前から気が付いてはいたのだが、この機能を使うと薄い雲を通して
下界の風景がかなりはっきり見える。 上の2点の写真にカーソルを当てるとその違いがわかる。
厚い雲は透視できないが、霞みのような雲だったら下の陸地と海や川の輪郭がはっきり浮かぶ。

今年の夏、日本は記録的なな猛暑であった。 日本を飛び立ってしばらくは、
上空に乱立する
積乱雲の光景が続いた。 その上端は水平に流れ、飛行高度を越えるものもありそうだ。
その合間を飛んでいると、巨大な青と白で構成された3次元アートの中をゆっくり移動して行く、
まるで仮想現実空間を体験しているような不思議な感覚
になる。 機体の揺れも何となく心地良い。



 長いフライトにも飽きて、そろそろ到着までの所要時間を気にし始めた頃、再び窓から外を
眺めていた。 薄い雲を通して北ヨーロッパの海岸線が見えている。 モニターで位置を確認したら、
ノルウェー上空でバルト海沿岸らしい。 赤外線映像は複雑な地形を浮かび上がらせた。

 
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霧雨を吹き飛ばした Japan2001 ケンブリッジ祭り






2001年5月から2002年3月の期間、Japan 2001日本年としてイギリス各地で日本の文化や生活を
紹介するイベントが数多く開催されている。 それらのイベントは規模や内容は実に様々で、
展覧会や
講演会、舞台、ワーク・ショップなど多岐にわたる。 小さいイベントも数えると、数百の
単位になるそうで、参加者は推定200万人、インターネットで絶えず最新の情報を流している。


その中で一般に人気があり解り易いのが日本の祭りイベントであろう。 ここケンブリッジでも、
6月17日“ケンブリ
ッジ祭り”が開かれた。 主要な催し物は日本大使館が用意したパッケージに
なっているのだが、それらを運営・実現させたのはケンブリッジ在住の有志の面々であった。
“祭り”は各地で開かれているが、既存の組織や市の運営で、有志による祭りはここだけだそうだ。

私自身は1年前の夏、あるパーティーで同席した元在日英国大使のジョン・ボイド卿より、協力を
求められたのが発端だが、約2年前から計画はスタートしていたらしい。 本格的には2000年12月に
開かれた大学関係者が中心のミーティングから、具体的な“祭り”の実現に向けて動き出した。
しかし、それから日本関係の団体参加辞退や、様々な番狂わせが祭り前日まで続くことになる。

祭り当日は、霧雨が降る生憎の天気だった。 午前中に幾つかトラブルは発生したものの、
神輿パレードが大変な盛り上りを見せ、街の人達に祭りへの招待を働きかけることに成功した。
午後からは2000人以上の人達が会場につめかけ、身動き出来ないほどのイベント会場も現れた。
運営委員や助っ人ボランティア達は、その夜遅くまで、祭りが終った会場に集い、成功に酔いしれた。




 様々な催し物が、半日の間に数ヶ所の会場で平行して次々行われた。 各会場を飛び回り撮影を
続けたが、すべての催し物を映像に収めることは無理だった。 裏方に徹したボランティアの方々は
ほんの一部のイベントしか目にする事が出来なかったと思う。 本当に、ご苦労様でした。

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