Web Site Photo Essay Series “
Shimura Hiroshi Cambridge Journal”

ケンブリッジ通信 フォト・ダイアリー
  
バック・ナンバー001



発信元/写真・文・デザイン: 志村博

 
 

  
  

  『久しぶりの霧の朝でした。 川面を流れる霧は時々ありましたが、この様な全体を包むような霧は、
 この夏、初めてかもしれません。 午前6時前、遠くの景色は全く見えませんでした。 7時近くになって、
 やや霧が薄れて来たので、撮影に出かけました。
明るくなるにつれ
淡い墨絵のような風景の中に、
 緑色が加わってゆきます。 この霧が晴れたのは9時を過ぎてからで、 もう、すっかり秋の朝でした。』
 2001年 8月下旬某日 志村


 
   

  『8月中旬には、俄か雨が繰り返す日などもあり、肌寒くなったりもしたのですが、下旬に入って
から
 また暖かく?なりました。
そんな晴れ上がった日に散歩に出かけました。 前日までは、まったく気が
 つかなかったのに、牧場の真中に白い円盤が現れました。 これは“フィールド・マッシュルーム”です。
 傘の直径が15センチ以上になる大きな茸です。 牧場
や庭の芝生などに、夏の終わりから秋にかけて、
 出てくるのですが、この牧場で見るのは初めてです。 食用になるそうですが、余りにも大きくて気味が
 悪いし、美味しそうでもないので、
まだ食べた事はありません。』 2001年 8月下旬某日 志村


 
   

 イギリスとしては暑い日が続いて、明日からは気温も下がり雨が降るとの予報が出た日の午後です。
 アトリエにいたら、かすかな機械の音が風に乗って聞こえて来ました。 グランチェスターの南に広がる
 麦畑では刈入れが始まったようです。 午後8時になってから、見物に行きました。 巨大なコンバインが
 夕空を背景にまるでバリカンのように麦穂を刈って行きます。 僅か半日で見渡す限りの麦畑が消滅
 しました。 たわわに実った麦穂が海の様に広がる風景が気に入っていたので、少し寂しい感じです。
 この辺りの畑は毎年、植え付ける作物が変わります。
来年はどんな畑になるのでしょうか?』
 2001年 8月中旬某日 志村


  
  

 
『8月中旬になって、イギリスも残暑?になりました。 この時期としては珍しく、気温が30度近くまで
 上昇しました。 人々はもう夏は終ったと諦めていたので、Good Summerの一時的再来に大喜びです。
 「暑いねー。」と言いながら、みんな予想外のボーナスをもらったような
笑顔です。 平日にも関わらず、
 グランチェスター・メドーには“夏”を楽しむ人の姿が戻ってきました。 地域によってかなり違いますが、
 この“おまけのGood Summerも数日で終り、にわか雨と晴を繰り返す変りやすい天気に戻ります。

 2001年 8月中旬某日 志村


 
   

  『
グランチェスター・メドーへは、ほとんど毎日散歩に出かけます。 しかし、ここから僅か500メートル程
 
上流のバイロンズ・プールと呼ばれる川筋の森へは、気の向いた時だけです。 バイロンが愛した
 素晴らしい散歩道なのですが、
アトリエからは自動車道を通らないとアクセス出来ないので、カヌーで
 ケム川を行く時か、天気の良い時に川沿いの森に光が射し込む時間を見計らって行く時だけなって
 しまいました。 8月中旬は陽が射すと草原や麦畑が黄金色に輝きます。 でも森の中は、この時期は
 まだ深い緑色の光に包まれています。 この森が黄葉の黄金色に輝くのは10月になってからです。』
 2001年 8月中旬某日 志村


  
  

  『
ある日、いつものようにメドーの散歩に出たら、変てこなものが川べりに立っています。 近寄って
 見ると、奇妙なセットを組み上げてかなり大掛かりなチームが役者を使って何やら撮影をしています。
 ムービー・カメラはないので
映画ではなさそうです。 面白そうなので、しばらく見物させて貰いました。
 なんと! これは「ピンク・フロイド」の新しいCDジャケットの撮影なんだそうです。 ピンク・フロイドと
 言えば、かつて一世を風靡した“原子心母”に「グランチェスター・メドー」という曲があるように、
 ここグランチェスターと縁の深いアーティストです。 彼らがまだ活動を続けている事も驚きですが、
 どんなCDが出るのか楽しみです。
』 2001年 8月上旬某日 志村


 
   

  『
通信8号の本編でも紹介しましたが、イギリスは7月下旬比較的暑い日が続いていました。
 しかし、8月になった途端、例年並の気温に下がり、グランチェスターも秋景色に変わりました。
 種を付けていた牧場の草も黄金色になって来ました。 単子葉植物の特徴である麦穂のような実が、
 穏かになった陽射しを受けて、風に揺れる様子は情緒があります。 』 2001年
8月上旬某日 志村

 
 
   


  『
灼熱の日本から、帰って来ました。 2週間の日本滞在中も時々ニュースを耳にしていたので、
 予想はしていたのですが、グランチェスターは大変な騒ぎになっていました。 隣人ジェフリー・
 アーチャー卿の偽証の疑いに有罪判決が出て、そのまま収監されたのです。 人気作家で保守党の
 重鎮でもあった人物の収監に各メディアはトップの扱いをしています。 小さな静かな村は詰め掛けた
 報道陣で騒然となり、報道中継車が待機し、アーチャー邸の門前も、カメラマンや記者が張り付いて
 います 。 しかし、こんな事は今までに何回もありました。 メディアは今回の有罪判決についても
 辛辣なものから、同情的なものまで、様々に書き立てています。 私は私なりに、知られざる
 アーチャー家の一面を、別の機会に紹介したいと思っています。 』 2001年
7月下旬某日 志村

 
    

  『灼熱の日本に着きました。 夏期のフライトは苦手です。 いつも満席だし、私の“お好み席”を
 確保するのも難しく、窓側はなんとか取れたものの、かなり後ろになってしまいました。 一番左の
 写真は飛行機が日本の海岸線に到達した所ですが、晴れていても、霞んではっきり新潟の街が
 見えません。 日本列島を横断する間中、霞みが全体を被っていました。 越後山脈の頂上だけが
 霞みの上に顔を出し、僅かな残雪が見られました。 夏季の風景は霞んでいる事が多いようです。
 日本には2週間足らずの滞在です。 暑さと戦いながらも、仕事に追われそうです。
しばらく、この
 トピックス欄はお休みです。
思えば7号は盛んに更新をしたので大変な量になってしまいました。
 次号からは、この欄を独立させる予定です。 何人かの方から、次号の発信時期のお問い合せを
 頂きました。 8月上旬を予定しています。 お楽しみに!
』 2001年 7月上旬某日 志村


    

  『日本に行くときは、いつもスタンステッド空港を使います。 これはロンドン5番目の最新空港で、
 ケンブリッジ郊外の我家からは、車でわずか30分の距離なので愛用?しています。 さて、そこで
 意外なものを見ました。 搭乗手続きを済ませ、いつものラウンジに落ち着きましたら、目の前に
 見慣れない飛行機?が! なんと、半世紀以上も前の戦闘機が旅客用ゲート前に駐機している。
 太平洋戦争では日本の“紫電改”などの戦闘機と死闘を繰り返したアメリカの“ムスタング”です。
 ラウンジ・スタッフに訊いたら、イギリス国内の航空ショーに出るため飛来して、中継ぎのため、
 この空港に立ち寄ったそうです。 機体には“老いぼれカラス”なんて洒落た名前をつけています。
 見てたら、整備・点検を済ませ、プロペラを回したかと思ったら、あまりにもあっけなく飛び立って
 行きました。
』 2001年 7月上旬某日 志村


    

  『7月に入っても、イギリスは爽やかな好天気が続いています。日本は記録的な梅雨の猛暑とか
 7月4日再び仕事のため日本に向かいます。 いつもの事ですが、出発の前日は徹夜になります。
 朝の4時ごろ、大体準備が終りましたので、夜明けのグランチェスター・メドーに出かけました。
 日の出前の薄暗い丘の上に立ち、空が白んで行くのを眺めていたら、足元に哲学猫“バブル”が
 いつのまにか来て「お前、こんな早朝何やってんの?」てな顔で、見上げていました。 でも、余程
 うれしかったらしく、 夜明けを撮影している私にずーーっと纏わりついていました。 「もう少し明るく
 なったらお前の写真を撮ってやるから、待ってろな。」と言っていたのに、明るくなった時には、姿を
 消していました。 さすが唯我独尊哲学猫?! さて、お茶を飲んで、最後の点検をしてから、空港に
 向います。
2001年 7月上旬某日 志村


    

   『6月末、今年もケンブリッジ大学は学年末を迎えました。 学年末で一番重要な大学行事は
 「学位授与式」です。
日本で一般的に行われる卒業式とは少し違います。 全学一斉に行われる
 のではなく、2日間にわたり、カレッジごとの学位授与式が街の中心にある“セネタ・ハウス”で執り
 行われます。 学位を授かる学生達は学位ごとに決められたガウン姿でカレッジの重臣達に
 先導され、街の中を歩いてセネタ・ハウスに向かいます。 30以上のカレッジが街の中に点在して
 いますので、この2日間は
1日中伝統的なガウン姿の大学人が、街中を闊歩する事になります。』
 
2001年 6月下旬某日 志村

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