Web Site Photo Essay Series “
Shimura Hiroshi Cambridge Journal Diary”

 
ケンブリッジ通信 フォト・ダイアリー
 
バックナンバー 010

 


発信元/写真・文・デザイン: 志村博


 
   
     
  『 天気予報どおり、ケンブリッジは一時的に、とても暑くなりました。 しかも、なんと31度!になりました。
 好天?に誘われて、久しぶりにへミングフォード・グレイ村に行ってみました。 ケンブリッジから北東に、
 車で約20分の静かな村です。 児童文学作家のルーシー・ボストンが住んだグリーン・ノウ物語の家を
 訪れました。 ボストンさんは10年程前に亡くなりましたが、まだお元気だった頃、この家には、林望氏が
 下宿していて、訪れた私をボストンさんは家の隅々まで案内してくれました。今回は庭だけの訪問です。
 昔と同じように、芝生には動物や、チェスの駒の形に刈り込んだ櫟の木が並んでいます。 今となっては、
 懐かしい思い出です。 ヨーロッパ大陸では、洪水の被害が広がっています。 ケンブリッジも8月上旬の
 雷雨は異常でした。 この暑さも変です。やはり、地球規模での気候変動が起こっているのでしょうか。』
 2002年8月中旬某日



 
   
     
  『 この所、夕方になると西の空が気になります。 よく雨が降るのですが、不思議と日暮れ時には、雲が
 切れて夕日が鮮やかに空を彩ります。 夏至から1月半が過ぎました。 日没の時間も早くなり、8時頃に
 ちょうど太陽が地平線に架かります。 予感がはたらくと、カメラを持って見晴らしの良い場所に立ちます。
 雲間から洩れる光線は、刻々と空の色を変えて、柔らかい光を放ちます。 美しい夕焼けを見た時、とても
 得をしたような気分になります。 イギリスは相変わらず天気が悪く、肌寒い位ですが、日本のお盆の頃
 には、天候が安定して、気温も上がるだろうとの予報が出ています。 それでも、最高気温25度位です。』
 2002年8月中旬某日



 
   
     
  『 8月になってから、天候が不順で、雨がよく降り、晴間が出ても“暑さ”はありません。ティー・ガーデンも
 初夏のような満員状態はなくなりました。 アーチャー家の飼猫“スタンレー”が、最近はアトリエに来ない
 と思っていたら、向かいのティー・ガーデンにいました。 人懐こい美猫の訪問に、お客さんは大喜びです。
 “スタン”も満更ではないようで、テーブルを廻っては愛嬌をふりまいています。 その代わりスタンレーの
 相棒猫“オリバー”が、アトリエの庭に来るようになりました。 オリバーは孤独を愛する猫で、家の中には
 めったに入りません。 抱き上げられるのは嫌いで、庭テーブルがお気に入りです。参照>「猫エッセイ」
 2002年8月上旬某日



 
   
     
  『 メドーでは、晩夏に花をつける“クリーピング・シスル”あざみの一種や、“カールド・ドック”と呼ばれる
 野草が所々に、薄紫と赤の彩りを添えています。 この2種類は19世紀までは、農業に悪影響を及ぼした
 雑草で、イギリス全土に繁茂していました。 近年は農薬により、耕地からは駆逐されてしまいましたが、
 ここグランチェスターの牧場では、牛も食べず、農薬も使わないので、我物顔で咲き誇っています。 先日、
 ビデオ・エッセイ“赤外線風景、夢の夏メドー”が日本で放映されました。 もう、あのような夏風景は消え、
 すっかり初秋のメドーに変わりました。 野も川も空も秋色です。 所で、アトリエの電話は復旧しました!』
 2002年8月上旬某日



 
   
     
  『 8月に入ってから、めっきり涼しくなりました。 7月終わりに来た、突然の“暑さ”の後は、激しい雷雨が
 断続的に襲い、各地に被害をもたらしました。 ケンブリッジでは、洪水や落雷による大きな被害はありま
 せんでしたが、一部地域の電話が不通になり、今も復旧していません。 私のアトリエの電話も不通です。
 連絡の必要な方は、メールを下さい。 相変わらず、不安定な天候が続いていますが、雷雨後の青空は
 とても、澄んでいます。 晴間は長続きしないのですが、雲もダイナミックで、運が良いと美しい夕暮れを、
 見ることが出来ます。 気温は予報通り、21-3度位に下がりました。 夜は暖房を入れる家もあるとか!』
 2002年8月上旬某日



 
   
     
  『 7月最後の週末に、突然の“暑さ”が戻って来ました。 先週末は、日中でも肌寒く、雨も降り、もう秋の
 風情が漂っていました。 快晴・最高気温30度、思わぬ“盛夏“の再来に、人々は夜 7時過ぎても、時を
 惜しむように、水遊びに興じています。 湿度が低いので、汗ばむ程ではありませんが、忘れかけていた
 熱気です。 しかし、この陽気は、長続きはしません。 来週の中頃には、また不安定な天候に戻り、最高
 気温22度位に下がるようです。 もう夏は終ったと、諦めていた人達には“予期せぬボーナス”のようで、
 大喜びです。 日本は大変な猛暑で、人々は秋の到来を待ち望んでいるのに、ここでは夏礼讃!です。』
 2002年7月下旬某日



 
   
     
  『 今年は春に雨が多かった為、牧草の育ちが良かったらしいのですが、庭の花々も咲き誇っています。
 春の花は、夏の花に場所を譲り、新しい色合いに変わりました。 水仙が咲いていたグランチェスターの
 小道は背の高い“ホリーホック”が立ち並んでいます。 この庭花は“コテージ・ガーデン”夏の定番です。
 2年草で、2m以上の背丈になり、人の目の高さに次々と花をつけます。 何世紀にもわたって夏の庭を、
 彩って来ました。 この時期、街を歩いていても、至る所に、大きな花を咲かせているので、目を惹きます。
 大きな“くまん蜂”花粉まみれになって蜜を集めています。 至近で花を覗き込んでも、お構いなしです。』
 2002年7月下旬某日



 
   
     
  『 毎年、7月の週末はケンブリッジ地区でアーティスト達が、アトリエを公開しています。 これは全国的に
 広がって来た“オープン・スタジオ”の行事です。 ケンブリッジでは15年位前から行われています。 プロ、
 アマチュアを問わず、会費を払って申し込めば、公開リストに掲載されます。 私自身は公開しないので、
 もっぱら、見て廻っています。 公開している友人達も多く、一年に一度、彼らをアトリエに訪ねるのは7月の
 楽しみです。 今年も100箇所以上が公開されています。アートの内容・質は様々ですが、彼らの生き様も
 垣間見ることが、出来ます。 毎年、新たな発見や出会いもあって、アイデアや制作意欲がわいてきます。』
 2002年7月下旬某日



 
   
     
  『 僅か2週間ほどの不在でしたが、グランチェスター・メドーはすっかり晩夏風情に、色を変えていました。
 7月初めは雨が多く、寒かったらしいのですが、私が戻った途端、また夏らしい天候になりました。 ケム川
 に沿った、いつもの散歩道は“アザミ”や“スイバ”などの夏の野草が花をつけています。 気温は約20度、
 湿度が低いので、晴れていても、暑さはなく汗ばむこともありません。 高温多湿の東京から戻った私は、
 まるで避暑地に来たようで、生き返リました。 しかし、同じ頃に日本から来た友人は、「とても寒くて、夜は
 暖房なしでは居られない。」そうです。 確かに、もう秋の気配が漂い、明け方は10度以下に下がります。』
 2002年7月中旬某日



 
   
     
  『 偏西風に乗って、速度を増した大型台風が関東に接近中の朝、空港に向いました。 かなりの遅延は
 覚悟の上でしたが、意外にも、いつも通りの搭乗手続きをしています。 出発便の案内ボードには“遅延”
 の文字が並び、他の欧州便は手続きを中止しているところも多いのに「定刻通り出発しますので、早め
 に搭乗口へ、お向かい下さい。」と、念を押されました。 搭乗する頃は、雨が激しく降り始めていましたが、
 定刻丁度にすんなりと離陸しました。 厚い雲を抜ければ上空は青空です。 台風は早くても時速50km、
 飛行機は時速1000kmです。 あっと言う間に、台風を振り切りました。 私も苦手な“蒸し暑さ”から離れ、
 機内で久しぶりの“熟睡”をしました。 到着も定刻よりも30分早かったので、とても短いフライトでした。』
 2002年7月中旬某日

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