Web Site Photo Essay Series “
Shimura Hiroshi Cambridge Journal Diary”

 
ケンブリッジ通信 フォト・ダイアリー
 
バックナンバー 012
 


発信元/写真・文・デザイン: 志村博


 
   
     
  『 日々に秋が深まって来ました。 雨もよく降りますが、あの強風以来比較的暖かく、秋晴れ空が広がる
 長閑な日もあります。 ケム川岸の柳の木も、すっかり黄色に変り、残った葉も疎らになりました。 黄葉が
 秋の日に黄金色に輝きます。 日本から戻り、1週間以上が経ちましたが、もう次の“日本行き”の準備を
 始めました。 次回もTV番組収録があり、来年の個展の準備や、打ち合わせを予定しています。 暢気に
 秋を眺めている場合ではないかも知れません。 今年も残り少なくなりました。 19日にはまた東京です。』
 2002年11月上旬某日



 
   
     
  『 11月5日、ガイ・フォークス・ナイトの花火見物に、ケンブリッジ中心部に近い“ミッドサマー・コモン”へ
 出かけました。 広い緑地の一部は移動遊園地になっていて、大変な人出です。 なんで、こんな晩秋に
 花火?と思われるかも知れません。 詳しくは、現在制作中の「ケンブリッジ通信・13号」で紹介致します。
 さて、急のお知らせですが、“朝日ニュースター”で、11月7日(木)、午後12時24分と午後3時40分の2回、
 『志村博のビデオ・エッセイ』 “静かに流れ、優しく溢れる川”が放映されます。 近日中に番組内容等を、
 掲載いたしますが、ウェッブ・サイト増設の為、一時的にドメインが、 変更になっていますので、よろしく。』
 2002年11月上旬某日



 
   
     
  『 イギリスに帰って来た翌日は、15年ぶりの“強風”が吹き荒れました。 台風に比べれば、雨は降らず、
 曇り空に時折り晴間が覗くような天気で、風だけが吹きつけました。 その日は、友人と向かいのティー・
 ガーデンで食事をして、カレッジで開かれた日英協会の集りに出かけましたが、到る所で木が倒れ、枝が
 吹き飛ばされていました。 ティー・ガーデンでは中央の林檎の木が1本倒れ、カレッジの裏庭では、西洋
 トチの巨木から大枝が折れていました。 倒木が送電線を切断したために、鉄道は止まり、停電もあって、
 大変な秋の嵐でした。 美しい黄葉風景を撮影しようと楽しみにしていたのに、飛ばされてしまいました。』
 2002年10月下旬某日



 
   
     
  『 日本での講演会、番組収録を終えて予定通り26日土曜の朝、成田空港に向いました。 関東は雨で、
 飛び立ってから、しばらくは雲の上を飛んでいましたが、日本海にさしかかった頃、雲が晴れて、眼下に
 佐渡島が広がっていました。 今、日本中を揺るがせている拉致事件現場の一つです。 いつも見ている
 光景ですが、今回は特別の思いで眺めました。 シベリア大陸上空に達したら、高原は既に雪景色です。
 10時間余りのフライトの後、着いたアムステルダムは強風が吹いていて、雲間から射した陽光で網状の
 水路が光っていました。 着陸に支障はなかったものの、イギリスへの乗継ぎ便が、3時間も遅れました。』
 2002年10月下旬某日



 
   
     
  『 日本に着いて、打合せやTV収録準備に追われているうちに、気がつけば日程の半分は過ぎました。
 先日、東京下町にある実家に、顔を出してきました。 すぐ近くに“深川江戸資料館”があり、江戸時代の
 深川の家並みが忠実に再現されています。 久しぶりに入館して、江戸の下町情緒も堪能してきました。
 さて、滞在後半では、10月22日に筑波大学で講演会、25日はTV番組のスタジオ収録が、2本分続けて
 あります。 そして、26日の朝には成田空港から、イギリスに向けて飛び立ちます。 今回もまた、慌しく
 日程が過ぎ、久しぶりに会おうと思っていた友人達とも、時間がとれないまま、終ってしまいそうです。』 
 2002年10月中旬某日



 
   
     
  『 7月以来、久しぶりのフライトです。 10月中旬になったのに、満席に近い状態でしたが、いつもの前方、
 窓際の席に落着きました。 秋分を過ぎているので、もしやと思い北極に一番近づく頃に外を眺めました。
 オーロラです! 極光は淡く、私の持ち込んだカメラでは撮影不可ですが、その上に広がる満天の星空も
 美しく、しばらく見入っていました。 ところが、妙な事に気づきました。 北斗七星が正面上空に見えます。
 いつもだったら、この地点では、角度が高すぎて飛行機の窓から見えないはずです。 急いで飛行ルート
 画面を見ました。 予定ルートから数百キロも南を飛んでいます。 イギリスとほとんど緯度が変りません。
 通りかかった客室乗務員に聞いたら、気流の関係だろうと言ってましたが、こんな“南飛び”初めてです。』 
 2002年10月中旬某日



 
   
     
  『 今週末の日本行き準備で、忙しくなって来ました。 この秋、ティー・ガーデン“オチャード”の敷地内に、
 ほぼ完成した新しい“パビリオン”に写真を展示する作業も、同時に進めています。 去年秋から一年も
 かけて建設が行われて来ました。 昔ながらの雰囲気を壊さないように、桜の木陰に建ち、外観も簡素で
 大きくは見えませんが、内部はとても広い構造です。 その壁面を、グランチェスター・四季折々の映像で
 飾ります。 展示を部分的に開始しました。 秋晴れの空の下、頻繁にティー・ガーデンとアトリエの間を
 行き来しながら、林檎の木の下でお茶を楽しむ人々を横目で見ています。 もうすぐ、日本です。 溜息!』 
 2002年10月上旬某日



 
   
     
  『 10月になっても、良い天気が続いています。 暖秋異変でしょうか? 9月に一時冷え込こみ、気温は
 それ程高くはなっていないのですが、晴天が多く雨が降りません。 4日連続、美しい夕空が広がりました。
 何をしていても、6時過ぎると地平線の前に、カメラを持って飛んで行きます。 9月の気象統計が出ました。
 例年に比べて、気温は僅かに高めでしたが、降雨量が異常!です。 平年の70%で、その降雨の殆どが、
 9月9日のたった一日で降りました。 雨が少なく、9月も夕焼けが美しかったので、時々撮影していました。
 10月に日本でTV収録を予定している“ビデオ・エッセイ”のテーマを、“夕焼け空”にするか検討中です。』 
 2002年10月上旬某日



 
   
     
  『 ケンブリッジ市街地の南端、グランチェスター寄りの茂みに隠れて、“ミニ鉄道”が敷かれています。
 線路の全長は約600m、駅や踏切りもある本格的な鉄道です。 1935年から鉄道愛好家のグループが
 建設を続けてきました。 私の古い友人が、このグループの幹事をしているので、時々遊びに行きます。
 先週末は、仲間達が集まる日だったので、久しぶりにカメラを持って出かけました。 秋晴れの太陽の下、
 良い歳をした大人達が、自慢の蒸気機関車を走らせて、嬉しそうです。 10年前に、私のビデオ・エッセイ
 「走れ!ミニチュア・レールウェイ」に登場しましたが、再び、新しい映像と取材で、紹介する予定です。』 
 2002年10月上旬某日



 
   
     
  『 9月終わりに、子牛が2頭産まれました。 グランチェスター・メドーの牧場に、晩春から晩秋にかけて
 放牧されている牛達は、雌牛と若牛の群です。 母牛は誰の助けもなしに、未明の牧場で出産します。
 子牛を産んだ途端、母牛は“野生”に戻り、私が近づくことも警戒します。 産まれたばかりの子牛は、
 草食動物の本性を発揮して、その日から歩けますが、乳を飲む時以外は、牧草に伏せて身を隠します。
 小鹿のような身軽さで、母牛の周りをじゃれて、跳ね廻る姿を見せるには、まだ10日程を要します。』 
 2002年9月下旬某日

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