Web Site Photo Essay Series “
Shimura Hiroshi Cambridge Journal Diary”

 
ケンブリッジ通信 フォト・ダイアリー

 
バックナンバー 014
 



発信元/写真・文・デザイン: 志村博


 
    
     
  『 ついに、飛行機からオーロラ(極光)の撮影に成功しました。 とくに狙っていた訳ではないのですが、
 いつものKLMフライトで、お気に入りの前方窓際の席に座って日本に飛んで来ました。 しかも、今回は、
 高性能一眼レフ・デジカメを持参しています。 飛行機が北極圏に差し掛かった頃に目が覚めて、窓から
 暗い空を覗いてみたら、薄っすらとオーロラが現れていました。 それから、北極に一番近い辺りに来て、
 やや明るさを増し、さかんに動いています。 色々と工夫をしたら、ついにカメラがオーロラを捕らえました。
 2重の窓ガラスに反射する機内の光を遮り、露光8秒・F2.8で、緑色の極光がモニターに浮かびました。』
 2003年1月中旬某日



 
    
     
  『 天気予報では“イングランド東南部で雪になるだろう”との事で、日本に行く前に雪景色を撮影出来る
 かも知れないと、少し楽しみにしていました。 確かに、雪は降ったのですが、全く積る様子もなく、翌日は
 綺麗に晴れ上がりました。 所要もあり街へ出かけました。 カレッジの合間を流れるケム川端では雁や
 鴨たちが、長閑に川面に浮かんでいます。 見た目には春のようです。 ロンドンでは9年ぶりの“積雪”が
 あったとか、9年前の大雪の時もケンブリッジは殆んど積らなかった事を思い出しました。 雪景色恋慕。』
 2003年1月中旬某日



 
    
     
  『 洪水のピークから2日目には、通常の水位に戻りました。 暖かかったイギリスは急に冷え込み、朝の
 気温は氷点下になり、昼間も2度位です。 メドーで面白い“形”を見つけました。 洪水の後の水溜りが、
 朝方凍り、その後、水が引いてしまったので、牧草の表面に氷だけが取り残されました。 まるで、緑色の
 草の上に、白いレースを広げて置いたような、不思議な網状の氷が、傾いた冬の太陽に輝いています。
 週末には、この寒さも和らぐとか。 いよいよ、来週から展覧会準備のため10日間ほど日本に行きます。』
 2003年1月上旬某日



 
    
     
  『 三が日が終った途端、ケンブリッジは晴れ上がりました。 気温も下がったのですが、週末と重なって
 グランチェスターは、洪水見物で賑わいました。 カヌーをしている人もいます。 顔見知りのカメラマンも、
 突如現れた美しい湖水風景を撮影していました。 ニュース報道で伝えられるのは、災害情報だけです。
 イギリスの洪水のイメージには、美しい自然のドラマと考える向きもあります。 氾濫原に溢れ出た川は、
 見慣れた風景を一変させます。 ここの氾濫原に貯えられた水は、下流のケンブリッジ市内に流れ込む
 水量を抑制する“天然の貯水池”です。 水位が急に下がり始めました。 明日には湖水とお別れです。』
 2003年1月上旬某日



 
    
     
  『 ケンブリッジより、新年のご挨拶をお送りします。 年末からの暖かさは、三が日も続きました。 しかし、
 毎日曇天でよく雨が降り、今年になって、まだ晴間を見ていません。 年末から続く多雨でケム川は再び
 氾濫原に溢れ出しました。 ケンブリッジで、まだ浸水被害は出ていませんが、洪水警報が出ています。
 久しぶりに街に出ました。 街中を流れる川は、薄茶色に濁って流れも速いのですが、白鳥達は、平気で
 流れを横切って寄って来ますし、水浸しになった公園では、子供達が水と戯れています。 空模様は暗く
 湿った年明けになってしまいましたが、街はセールで賑わっていました。 明日から晴れて冷えるとか。』
 2003年1月上旬某日



 
    
     
  『 クリスマス前は雨がよく降っていたのに、クリスマスになった途端、美しく晴れました。 しかも、暖かい。
 ベリー・マイルド・クリスマスなんて、言われています。 クリスマス当日も、澄んだ夕空をいつもの場所で、
 撮影していました。 夕日が地平線に沈んだ直後、突然うしろで鈴の音が聞こえてきました。 何だろうと、
 ふり返ったら、ポニーの引く馬車がやって来ます。 家族が乗っていて、私に“メリー・クリスマス!”と声を
 かけて通り過ぎて行きました。 子供達は笛を吹き、お母さんはサンタの帽子をつけています。 一瞬の
 出来事でしたが、遠くからも手を振ってくれて、地平線に消えて行きました。 カントリー・ライフ礼讃です。』
 2002年12月下旬某日



 
    
     
  『 下旬からイギリスは異常に暖かくなりました。 東京と気温を比べてみたら、ケンブリッジの最低気温と、
 東京の最高気温とほとんど同じで、約8度です。 ケンブリッジの最高気温は12度前後で、とくに高いとは
 言えませんが、なま暖かく感じます。 しかも、クロウタ鳥が“春のさえずり”を始めました。 クリスマス前に
 天気予報通り雨が断続的に降り、とうとうケム川が溢れ出しました。 部分的に冠水したメドーで、白鳥が
 牧草を引き抜いて食べています。 当分の間、美しい“霧氷風景”は、見られそうもありません。冬待望?』
 2002年12月下旬某日



 
    
     
  『 ついに、今年もクリスマスになりました。 ティー・ガーデン 『ジ・オチャード』に完成した新パビリオンは、
 グランチェスターを、愛した詩人の名をとって“ブルック・ルーム”と、名付けられました。 この命名は、私と
 オーナーのカレン氏の案が一致して、すんなり決まりました。 室内はクリスマス期間用に赤と緑に配色
 されています。 もちろん、壁には私の写真が架けられています。 クリスマス・イブの12月24日には、私の
 ビデオ・エッセイ作品“小さな村の小さなクリスマス”が、日本で放映されます。 参照>ビデオ・TV番組
 2002年12月下旬某日



 
    
     
  『 雨で増水していたケム川は、あっと言う間に水位が下がって元の川の姿に戻りました。 その翌日は、
 また気紛れに、晴れ上がりました。 冬の低い太陽に照らされて川辺の柳の枝がオレンジ色に輝きます。
 青空が川面に映って綺麗です。 他に予定はあったのですが、この日は殆んど1日、撮影に出歩きました。
 残念ながら、この晴天は長続きしないそうです。 明け方は気温が、氷点下に下がるようですが、今年も
 この時期ケンブリッジで、雪の予報はなく“ホワイト・クリスマス”になる可能性は、0%に近いようです。』
 2002年12月中旬某日



 
    
     
  『 先日、夕空を撮影して以来、天気予報に反して曇りがちになりました。 気温は上昇、あの冷え込みは
 弱まったものの、週末は雨が降り続きました。 週明けに、ケム川に行ってみたら、かなり増水しています。
 雨が止んだので、氾濫しそうにありませんが、川辺の牧場と、ほぼ同じ高さまで水が来ています。 あまり、
 寒くないのでしょう。 近所の人が、ボールを川に投げては犬が泳いで取りに行くという遊びをしています。
 その後、灰色の空ばかりで“美しい冬の夕焼け”が見られなくなったので、私としては、ちょっと複雑です。』
 2002年12月中旬某日
 
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