Web Site Photo Essay Series “
Shimura Hiroshi Cambridge Journal Diary”

 
ケンブリッジ通信 フォト・ダイアリー

 
バックナンバー 016
 




発信元/写真・文・デザイン: 志村博

 
    
     
  『 4月に入りました。 やはり、今年の3月は記録的な好天気が続いていたようです。 ケンブリッジでは、
 3週間も雨が降らず気温も高かったので、庭土は乾燥していました。 4月1日に待望の雨が降りました!
 しかし、夕方には雨も上がり青空が出ました。 もう少し、まとまった雨が欲しいところです。 春の庭には、
 至る所で、黄色の花が彩りを誇っています。 Golden Bells(レンギョウ種)は、十字の花を一杯につけて
 黄色の壁を作り、水仙は、様々な形で黄色の花弁を広げています。 戦況には関わりない春進行です。』
 2003年4月上旬某日



 
    
     
  『 イラクでの戦争が始まって、1週間が過ぎました。 みんな息をつめて、戦局の行方を見つめています。
 戦闘開始後、ロンドン中心部の繁華街からは、いつもの賑わいが消え、知り合いの日系レストランでも、
 閑古鳥が鳴いているとか。 ここグランチェスターでは、連日の“春日和”に誘われて、ティー・ガーデンは
 大変な人出です。 週末は野外のテーブルが足らなくて、草の上でお茶を飲んでいます。 パビリオンの
 展示写真も数を増やして充実しました。 4月下旬にビデオ映像も加えた“レセプション”を準備中です。』
 2003年3月下旬某日



 
    
     
  『 戦争が始まりました。 世界的にテロの不安も高まっていますが、ケンブリッジでは長閑な春の日が、
 続いています。 もう10日以上、雨も降らず、青空が広がる天気です。 この前までは、クロッカスが咲き
 誇っていたキングス・カレッジ裏庭も、今は青紫・緑の“絨毯”に、所々黄色い水仙の花が揺れています。
 一面に咲く青紫の花の詳しい名前は解りませんが、ユリ科ヒヤシンスの野生種ではないかと思います。
 早朝は冷え込み、時々霧が発生しますが、日中はコートも要らない暖かさです。 戦争早期終結祈願!』
 2003年3月下旬某日



 
    
     
  『 ついに3月下旬に突入しました。 開戦時期が迫っています。 英国議会でも波乱が起きていますが、
 相変わらずイギリスでは、良い天気が続いています。 毎夕、地平線に太陽が沈む光景が、見られます。
 日が長くなり、日没の時間がちょうど午後6時になりました。 明日は“春分の日”です。 日没の位置も、
 毎日の様に、真西の方向に移動してゆきます。 薄雲や靄が地平線上に広がると、入日は変化に富み、
 表情豊かです。 6時近くまで、太陽は西の空に輝いていて、春分から後は、急速に日が長くなります。』
 2003年3月下旬某日



 
    
     
  『 戦争への暗雲が重く圧し掛かっていますが、ここ数日イギリス上空には、高気圧が居座っています。
 快晴が続いているので夜は冷え込みますが、昼間の気温は15度くらいまで上がります。“本春”です。
 冬眠から覚めた蜂たちが、花の間を飛び回っています。 蜜蜂は、水仙の“おしべ”に、ぶら下がりながら、
 器用に花粉を両足に付けています。 くまん蜂は、プルナスの小花につかまり、巨体を持て余しています。
 あと何日、この“本春”日和が続くのでしょうか? 人の世の動きに関係なく、自然界は、春進行中です。』
 2003年3月中旬某日



 
    
     
  『 満月との関係で、イースター(復活祭)の日程は、年によって異なります。 今年は遅く、4月20日です。
 従って“イースター休暇”も遅く始まるのですが、ケンブリッジ大学は、来学期の試験日程もあり、3月の
 中旬から休暇に入りました。 この週末は開放感に包まれた学生達が川遊びに興じ、好天に誘われた
 観光客が、パンティング・ツアーに押し寄せました。 早春のケム川は、真夏の様な賑わいになりました。
 川面は歓声とパント(平底舟)で一杯です。 各ボート・ハウスも、本格的な営業を始めて“川開き”です。』
 2003年3月中旬某日



 
    
     
  『 3月半ばになって、すっきり晴れ上がった日が続いています。 風はむしろ冷たく感じられますが、春の
 彩りが確実に拡がっています。 プルナスがあちらこちらで満開です。 プルナスは、山桜に似たバラ科の
 自生種で、2月終わり頃から、数ミリのつぼみが次々と開き始め、直径2cmほどの花を無数につけます。
 白とピンクの花があり、早春まだ葉のない木立の中で、遠くからも明るく目立ちます。 満開の状態では、
 樹木全体が、花の色に包まれます。 桜より1ヶ月も早く満開になるので、一足早い“お花見”気分です。』
 2003年3月中旬某日



 
    
     
  『 週末の土曜日は、雨まじりでどんより曇っていたのですが、日曜日は再び暖かい春日和になりました。
 向かいのティー・ガーデンに顔を出したら大変な賑わいです。 野外のテーブルは満席状態で、春の陽を
 浴びて午後のお茶を楽しんでいる人達で一杯です。 ケンブリッジに戻ってきた日は、まだつぼみだった
 水仙も満開になっています。 プルナスの木も小さな白い花をつけ始めて、ここだけ見れば、春本番です。
 来週の天気は、不安定になり気温も下がるとか、春は続くでしょうか?イラク情勢から目が離せません。』
 2003年3月中旬某日



 
    
     
  『 長い東京滞在から戻り、久しぶりにケンブリッジ市内へ出ました。 不在中に溜まっていた雑務などを、
 一挙に片付ける為だったのですが、あまりの天気の良さにケム川沿いの散策に興じました。 春です!
 カレッジの裏庭では、春の到来を告げるクロッカスが花盛り、川面では、気の早い学生達が“パント”を
 出して舟遊びです。 風もなく、夜の冷え込みもなく、昼間の気温は12度、澄んだ青空が広がっています。
 イラク情勢が、暗雲のように世界を覆い始めましたが、ここだけは穏やかな春日和が、続くのでしょうか。』
 2003年3月上旬某日



 
    
     
  『 慌しくも、実り多かった今回の東京滞在を終えて、イギリスに向いました。 いつもの窓側席に落着き、
 フライトは快適でした。 3月に入り、欧州行き北極周り便は、明るい空を飛び続けます。 シベリアは、まだ
 雪に覆われていましたが、北ヨーロッパにさし掛かると、雪解けパターンが広がってきました。 普段は
 見えない市街や森の輪郭が、残雪の白に縁取られています。 この時期だけに見られる人の営み紋様
 です。 寒さが戻った東京から帰り着いたイギリスは、妙に暖かく感じます。 気温が14度もあるのだとか。』
 2003年3月上旬某日

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