Web Site Photo Essay Series “
Shimura Hiroshi Cambridge Journal Diary”

 
ケンブリッジ通信 フォト・ダイアリー

 
バックナンバー 019
 




発信元/写真・文・デザイン: 志村博

 
   
     
  『 東京も、いよいよ梅雨に入ったとか。 明日、日本に向けて飛び立ちますが、イギリスは、いま最高の
 季節を迎えようとしています。 暑くも寒くもなく、風は爽やかで心地よく、青空に白雲が浮かんでいます。
 街から近いケム川筋の一角、取り残されたように広がる牧草地“コーヘン” で、背の高いキンポーゲが
 “花盛り”なのを見つけました。 一般的に野草“キンポーゲ”には2種類あって、背の低い種は早咲きで、
 4月から5月にかけて、背の高い方は、5月から6月に開花します。 こんな風景とも、しばしの別れです。』
 2003年6月中旬某日



 
   
     
  『 ケンブリッジ大学は、現在学年末の試験期間中です。 5月から6月中旬のこの時期は、一般の方や
 観光客に対して、カレッジは門戸を閉ざし立ち入り禁止となります。 いつもなら、観光客達がそぞろ歩く
 カレッジ中庭は、静かな落ち着きに包まれています。 ところが、奇妙な一団に会いました。バットマンや
 スーパーマンの格好で、陽気に騒いでいます。 試験日程は科目などによって異なるので、6月に入ると、
 試験を終えた学生達が、寛ぎ始めます。 訊いたら、試験終了を祝い“コスプレ”を、しているのだとか!』
 2003年6月中旬某日



 
   
     
  『 ポピーで真っ赤になった畑を見つけました。 菜の花畑で、数週間前は黄色の花で、真っ黄色でした。
 この朱色のポピーは野生種で、土中に長年眠っていた種が、耕された刺激で発芽し一斉に開花します。
 きっと、この畑は菜種を作付けするために、深く耕されたのでしょう。 ケンブリッジ通信 9号 に関連した
 テーマがありますので、参照下さい。 たくさんの蕾が次々と割れて、皺々に畳み込まれた紅い花弁が
 広がり、風にそよいでいる景色は壮観です。 一面の黄色の後は、緑と赤の配色が、目に鮮やかです。』
 2003年6月中旬某日



 
   
     
  『 今年の“ストロベリー・フェア”は、6月7日に開かれました。 初夏の素晴らしい天気に誘われ、街中の
 緑地(ミッドサマー・コモン)へ出かけました。 かつてのヒッピー文化が再来したような“祭り”は、今年も
 異様な熱気に包まれていました。 去年は通り魔的な“傷害事件”が起こり、今年の開催が危ぶまれて
 いましたが、未だかつてないほど“膨張”して、大変な人出です。 警官の姿がいたる所で見られ、厳しい
 警戒体制下での開催ですが、子供連れ家族も多く、皆楽しそうでした。 ケンブリッジ通信12号<参照。』
 2003年6月上旬某日



 
   
     
  『 ケンブリッジはミッド・サマーを迎えつつあります。 夏至まであと2週間余りです。 キンポーゲの花で
 一面黄色に染まっていたメドーでは、牛達が伸びた牧草を黙々と食んでいます。 数週間前に産まれた
 子牛たちも元気に育っています。 ここグランチェスターでは、平和で長閑な田園風景が広がっています。
 さて、弟の訃報に接し日本に戻る準備中ですが、パナマから連絡が入り、現地で荼毘にふし一部散骨を
 済ませてから日本に向かうとの事なので、私もその日程に合わせて6月11日頃にイギリスを発ちます。』
 2003年6月上旬某日



 
   
     
  『 今回の滞在日程を終えて、ケンブリッジに語学留学する学生一人を伴い、飛行機に乗り込みました。
 日本上空は、台風から変わった低気圧の影響で雲が厚く、地上は全く見えませんでした。 北シベリアの
 湖沼地帯に達した頃、何気なく窓の外を眺めたら“北極圏の雪解け春文様”が眼下に広がっていました。
 しばし、撮影に夢中になりましたが、お馴染みの撮影地点です。 「ケンブリッジ通信11号」を参照下さい。
 ほぼ予定時刻に、ケンブリッジに帰り着きました。 しかし、入れ違いで実弟の突然の訃報が、イギリスで
 待っていました。 国際協力事業団での赴任先パナマで運動中に急死したようです。 まだ、全く実感が、
 湧かないのですが、日本に戻る準備を始めたところです。 突然死された高円宮殿下を思い出しました。』
 2003年6月上旬某日



 
   
     
  『 今回のハートランドの映像投影イベントには、テスト・プロジェクションにも関わらず大変多くの方々が、
 来てくれました。 特に最終日の29日には、早めの時間から予想以上の来場者となり、一人一人の方と、
 ゆっくり話す時間がなく、失礼してしまいました。 私自身慌しく、写真を撮る時間もありませんでしたが、
 久しぶりに会えた“ダンディーGO”さんとは、得意のポーズで“記念撮影”が出来ました。 いずれ、マルチ
 投影システムが完成して、映像作品編成も自由に出来るようになりましたら、壁面のアート・スペースと
 併せて本格的な“映像イベント”を企画する予定です。 今回来て下さった皆さん、本当に、ありがとう!』
 2003年5月下旬某日



 
   
     
  『 東京の空に久しぶりの晴間が広がりました。 しかし、気の早い台風が関東地方に向かっているとか。
 ちょっと強い風の吹く六本木ヒルズの中を、珍しく昼間歩きました。 雲が、ビルのそびえる上空を流れて
 ゆきます。 近代的な建造物と自然の緑の組合せは美しく、不思議と調和して心を和ませます。 改めて、
 新しく誕生したこの街並みが、様々な自然に囲まれている事に気がつきました。 まだ、出来立てなので、
 しっくりと馴染んではいませんが、これから数年を経て、自然の力が徐々に“街”を包んでゆくはずです。
 毛利庭園・池周りの造園や、けやき坂通りをまたぐ広い通路上のぶどう棚は、これからが楽しみです。』
 2003年5月下旬某日



 
   
     
  『 東京は、相変わらず梅雨のような天気が続いています。 映像投影イベントなどもあり、毎日のように、
 六本木ヒルズ“ハートランド”に顔を出しています。 曜日や時間帯によってかなり雰囲気が変わります。
 先週末の深夜は大変な混雑で、外にまで人が溢れていましたが、夜の早い時間は、落ち着いています。
 店内に外光が射し込むので、大画面の“映像”は、夜の方が映えます。 カウンター前の大画面に広がる
 自然そのままの映像を眺めながら、のんびり寛ぐことが出来ます。 今回の日本滞在も、残り数日です。
 映像作品の“マルチ・タイムライン投影”を、29日・夜に行います。 仕事帰りにでも、お立ち寄り下さい。』
 2003年5月下旬某日



 
   
     
  『 週末にサンシャイン60・スカイ・ギャラリーを訪ねました。 私がいつも東京で展覧会を開く場所です。
 ハートランドの映像イベント初日に来てくれた、サンシャイン・シティのイベント企画をしている山田氏が、
 面白い展覧会を開催しているからと、誘ってくれました。 日本の伝統的な左官を、芸術的な域まで高め
 活動している挟土秀平氏の「泥ごり」展です。 私の版画や写真が展示されていた壁面には、挟土氏の
 左官の“アート作品”が掛かっています。 土の色合い・質感の織成す美の世界に、しばし陶酔しました。
 英国にも伝統の左官職人芸があること等を、挟土氏と話しましたら、大変驚き興味深々のようでした。』
 2003年5月下旬某日

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