Web Site Photo Essay Series “
Shimura Hiroshi Cambridge Journal”
ケンブリッジ通信 フォト・ダイアリー
  
バック・ナンバー002



発信元/写真・文・デザイン: 志村博


 


 
   

  『
ケンブリッジの街に大学生が戻って来ました。 10月に入ってからは、観光客の姿も大幅に減って、
 ケム川にも本来の静けさが戻って来ました。 落ち着いた学園都市の復活です。 イギリスでは秋が
 新学年の始まりになります。 新入生もまだ慣れない街を歩き回っています。 夏の間、観光客から
 入場料を徴収していたカレッジの入口には、新入生歓迎
の案内ボードなどが置かれています。
 2001年10月上旬某日


 
    

  『久しぶりのメドーに散歩に出ました。 2週間前より少し秋が進んだようです。 ぬけるような秋空に
 糸ぐずのような雲が絡まり、木々の葉も少しずつ色を変えてきました。 庭やメドーの至るところに、
 西洋サンザシの潅木が茂っています。 刺がありキリスト教的には、不吉とされているそうですが、
 この時期真っ赤な実をつけます。
遠くから見ると紅葉が始まったようにも見えます。 この満面の実は
 春先まで残り、野鳥達の冬越しの大事な食べ物になっています。』 2001年 9月下旬某日


  
  

  『2週間足らずの日本滞在はアメリカ同時多発テロの大きなうねりの中、慌しく過ぎてしまいました。
 友人達と
ゆっくり連絡を取りあう
余裕もなく、予定していた仕事を遂行するだけで日程が終ってしまい
 ました。 短い日程でしたが、とりあえず来年のカレンダーの校正も進み、TV番組の収録も完了して、
 予定通り帰英の途につきました。 帰りのルフトハンザ機は時期的なのか、テロの影響もあったのか
 解りませんが、大変空いていたので快適なフライトでした。 いつもより早い時間のフライトだったので、
 北極からフィンランド上空にかかる辺りはまだ太陽が高く、眼下に広がる湖沼地帯や河川が逆光に
 白く
輝き、雲間にコントラストのあるモノクローム光景を展開していました。』 2001年 9月下旬某日


 
   

  『ルフトハンザ機は成田に向って順調に飛行を続けていました。 シベリア大陸を横断し終り、やっと
 日本海に出たとき、海岸線がいつもと違って白く縁取られている事に気がつ
きました。 これは、前日
 まで日本列島をゆっくり縦断していた大型台風の余波で、うねりが海岸線に打ち寄せられ
白い波頭
 となって光っている現象でした。 日本海を南下し日本上空にかかると、台風一過の良い天気でした。
 しかし、よく見ると川は茶色に濁っています。 都心を通り抜けた台風は全国で大暴れしたようです。

 2001年 9月中旬某日


  
  

  『無事スタンステッド空港から飛び立ったのですが、途中に立ち寄ったフランクフルト空港で、何気なく
 人だかりのしている空港内のテレビ画面を見て、とんでもない事がアメリカで起っている事を知りました。
 ドイツ語と英語のテレビ画面が並び 『AMERICA UNDER ATTACK
−アメリカ攻撃下にあり
 との見出しで
、刻々と起っている深刻な事態を映し出していました。 心配そうに足を止め画面に見入る
 乗客が集まっていましたが、ターミナル内は比較的平穏で、私の乗るフライトも日本の台風の影響が
 残り、1時間遅れただけで、何事もないように日本に向け飛び立ちました。 』 2001年 9月中旬某日


 
   

  『アトリエの上階から南側を見渡すと、広いフィールドが見渡せます。 その中に農場に続く道が1本
 横切っています。 この道は私道で、農場に向う車やトラクターなどが走る以外はほとんど交通はなく、
 近所の人達の長閑な散歩道でもあります。 不揃いの並木があって西端の3本が私の気に入りです。
 道から西側を眺めると、並木越しに地平線が広がる格好の構図になります。 特に、刈入れの終った
 この時期は畑の中にも立ち入れるので、3本の木が絶妙な組合せになる位置を自由に探す事が
 出来ます。 先日お知らせしました“ビデオ・エッセイ作品”再放映は
9月6日の放映だけで13日に予定
 していた番組は延期になりましたので、よろしく。 明日、日本に向います。』 2001年 9月中旬某日


 
   

 
『改めて説明することはないと思いますが、私のHPに再三登場する“グランチェスター・メドー”とは、
 ケンブリッジ郊外グランチェスター村付近、ケム川沿いに展開する牧草地のことです。 ここの牧草は
 刈り取って収穫することはめったになく、夏から秋にかけて牛が放牧されます。
牧場は数ブロックに
 仕切られ十数頭の牛達は牧草の状態により、数週間ごとにブロックを移動します。
牛達はこの期間、
 牛舎に戻ることはありません。 この牧場で24時間過ごします。 草原に寝る牛達は夜が明けると起き
 出して、草を食べては休むローテーションを一日中のんびりと繰り返します。 その光景を見ていると、
 心が和んできます。 ここは牛だけでなく、人々の大切な散歩道であり、憩いの場でもあるのです。』
  2001年 9月上旬某日 志村


    

  『朝の冷気は地表の様々な物の表面に空気中の水蒸気を結露させます。 この時期、牧場には
 背丈が50cmくらいのアザミが花や毛のような種をつけて、所々立つようになります。 とげがあり、
 ちくちくするので、放牧されている牛が食べないからでしょう。 朝露はこのアザミについた蜘蛛の
 巣や綿毛について昇り始めた朝日に輝きます。  さて、緊急のお知らせですが、9月6日(木)及び、
 9月13日(木)に私の“ビデオ・エッセイ作品”が、朝日ニュースターで再放送される予定との連絡が
 ありました。 詳しくは、HP「志村博のTV番組」を参照して下さい。 』 2001年 9月上旬某日 志村


    

 
『この猫は私のHPに初登場ですが、つきあいは長いのです。 私のアトリエに時々遊びに来る
 血統書付き、由緒正しいハンサム猫です。 彼は隣人ジェフリー・アーチャー家の飼猫の一匹で、
 道を渡り、危険を冒してやってきます。 名前は“スタンレー”イギリスの古いコメディアンの名前に
 因んでいます。 スタンレーは社交的な猫ですが、甘ったれではなく、礼儀正しい紳士猫です。
 私が気が付かずに通りかかると、遠くからでも必ず挨拶をしますし、アトリエに招待しても無用な
 長居はしません。 一緒に遊ぶのは好きなのですが、抱き上げられるのは嫌いです。 でも、美しい
 毛並みを撫でられるのは、満更ではなく、胸元や腹側の毛色はオレンジ色に輝きます。 最近は、
 ご主人が不在がちなので、私の所に来ることが多くなりました。』 2001年 9月上旬某日 志村


    

 
『イギリスの8月下旬は“晩夏”というよりは“初秋”の感じです。 今年は気温が急上昇したり、
 下がったり、変化が激しかったので、空の表情も変化に富んでいました。 特に、夕暮れの空は
 刻々と雲の形や色彩が変わり、見ていて飽きることはありません。 毎日のように見晴らしのよい
 フィールドに立ち、西空をカメラを片手に眺めていました。 冬の空も美しいのですが、冷たい風に
 吹きさらしになり、このような長い時間、野原の真中に立ち続けることは酔狂にも出来ません。』
 2001年 8月下旬某日 志村


    

 
『8月も終わりに近づいて、再々度、暑くなりました。 この時期としては異例の最高気温30度です。
 ニュースではヒート・ウェーブ(熱波)なんて言っていますが、雲一つない青空が広がり、爽やかな
 夏の日の再々到来です。 しかも、バンク・ホリデー(3連休)と重なったから、もう大変な騒ぎです。
 普段は人影のないグランチェスター・メドーの川辺は人で埋り、まるで湘南海岸のような賑わい!?
 ティー・ガーデン“オチャード”のカウンターは駐車場まで行列が伸び、林檎の木陰は、お茶を楽しむ
 人達で満杯でした。 この熱波はイギリス南東部だけで、寒さで震えていた地方もあったようです。 』
 2001年 8月下旬某日 志村

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