Web Site Photo Essay Series “
Shimura Hiroshi Cambridge Journal Diary”

 
ケンブリッジ通信 フォト・ダイアリー

 
バックナンバー 024
 



発信元/写真・文・デザイン: 志村博
 

 
   

  『 ケンブリッジに帰り着いたのは、もう夜でした。 満天の星空で、東京と比べて空気が冷たく感じます。
 快晴の空は、放射冷却で明け方の気温を、氷点下まで下げます。 果たして、翌朝は“霜”が降りました。
 庭のイチゴやコトニアスターなどの葉、地表近くの花には、霜の白い縁取りが、ついていました。 昼間の
 気温も、10度前後までしか上がりません。 しばらく、留守にしている間に、イギリスの秋は深まりました。 
 これから、“ガイ・フォークス・ディ”、“ポピー・ディ”、“クリスマス点灯式”など、秋のイベントが続きます。』
 2003年10月下旬某日



 
   

  『 日本から欧州に直行する“フライト”は、地球の自転に逆らって飛ぶので、時間がゆっくりと過ぎます。
 昼前に成田空港を飛び立ち、途中アムステルダム空港で乗り継ぎ、やっと到達したイギリスは、夕方の
 太陽に照らされていました。 この時期、北極圏の飛行も暗くなりません。 ロンドン郊外の木々も黄葉が
 進み、すっかり秋の色になっています。 ヒースロー空港では、超音速旅客機“コンコルド”の最終運行が
 あるとかで、双眼鏡を手に、飛翔する最後のコンコルドを見届けようと、多くの人々が集まっていました。』
 2003年10月下旬某日



 
   

  『 忙しく日程を終えて、成田空港から欧州に向かうKLM便に、乗り込みました。 いつもの最前列・左舷、
 窓側の席に落ち着き、ほっと一息です。 今回入手したEOS-Kiss一眼デジカメを取り出し、窓から撮影を
 していたら、客室乗務員が私を呼びに来ました。 右舷の乗務員用キャビンから関空発で欧州に向かう
 同型のKLM機が見えると言うのです。 早速、遥か下方を飛行中の同型機を撮影しました。 時折大空を
 飛んでいる他の飛行機を見かけますが、私もあのように、空間を移動中と思うと、不思議な気持ちです。』
 2003年10月下旬某日



 
   

  『 打ち合わせが幾つかあって、サンシャイン60展望台に行きました。 偶然に、展望台で日没の時間を、
 過ごすことになりました。 展望台に昇った時、東京の街並みは、まだ明るく輝いていましたが、暫くして、
 外を眺めたら、太陽は地平線に近づいていました。 空気層は、紫色の霞みがかかり、富士山の輪郭は
 隠され、柔らかな夕景でした。 日没後は、風に流されたすじ雲が、残照に照らされていました。 滞在も、
 あと2日を、残すだけとなりました。 日本での秋は、慌しく過ぎてしまいましたが、充実した毎日でした。』
 2003年10月下旬某日



 
   

  『 土曜は、あいにくの雨模様でしたが、カレンダーの校正を終えた後、久しぶりの浅草へ出かけました。
 傘を持たずに出かけたので、雨の浅草界隈を濡れながらの散策でした。 境内の一角で、開かれていた
 江戸の町並みを模したイベントは、雨の中でも大変な賑わいでした。 しかし、町並みは急仕立てなので、
 期待していた程の臨場感はありません。 “江戸開府400年”を記念しての行事が多くあったようですが、
 やはり本物の浅草寺・社殿の方が、その堂々とした空間構成や、灯明の光に、歴史の重みを感じます。』
 2003年10月中旬某日



 
   

  『 体育の日、突然の嵐の後、六本木ヒルズに出かけました。 「ハートランド」は、人出が少なく、静かで、
 大型スクリーンにグランチェスターの映像作品を投影しながら、遠方より駈けつけてくれた友人と、展示
 作品の打合わせをしました。 短い時間で、仕事の話がほとんどでしたが、会話と空間を、楽しみました。
 その後、外に出たら、午前中のやや蒸し暑い空気は、秋嵐が通過した後、冷たい風に変わっていました。
 テレビ朝日の建物は、赤光でライト・アップ、アリーナでは上條恒彦さんのコンサートが、進行中でした。』
 2003年10月中旬某日



 
   

  『 連休最終日は、素晴らしい“朝焼け”で始まりました。 ビルの屋上に上がり、白む空に浮かぶ雲が、
 朱に染まってゆく光景を眺めました。 東京の空も、時として華麗な彩光を放ちます。 ところが、この日、
 午後から天気は急変、熱帯性低気圧による“小型台風”が、関東を席捲しました。 窓から、激しい雨が、
 吹き付け、白く煙る光景を見て、唖然としました。 クレーンが強風で倒れたりして、被害も出たようです。
 秋の天気の変わり易きこと、イギリスよりもダイナミックです。 この後、再び晴上がり夕焼け空でした。』
 2003年10月中旬某日



 
   

  『 東京下町の実家に行く途中、友人と会うため“シオサイト”に立ち寄りました。 この夏の間に、新しい
 空間が加わっていましたが、久しぶりの未来都市との再会で懐かしく、夜の照明の中、歩き回りました。
 夏前は、彫刻展が開かれていた広場では、ミュージック・ライブが、開かれていました。 だた通り過ぎる
 つもりでしたが、澄んだ音色と幻想的な旋律に、思わず足を止めて、最後まで聴き惚れてしまいました。
 “Smooth Jazz”のバンド'JAJA'だそうで、スタイルは地味ですが、音楽と奏者の一体感が素敵でした。』
 2003年10月中旬某日



 
   

  『 日本到着早々、東京近郊にある印刷工場で、2004年カレンダー校正刷りの検討などを、行いました。
 グランチェスターで撮影した、空の映像シリーズ“Sky View 2004”です。 35mmポジ・フイルム原稿から、
 映像を大画面に拡大し、特殊な“スクリーン印刷”で、空の広がりと透明感を、表現しようとの試みです。
 新しいチャレンジなので、様々な最終調整が、必要になりそうです。 打合わせの後、工場内を案内して
 もらいました。 カレンダーを刷る最新鋭シリンダー式・スクリーン印刷機・EDC-75・ラインも見学です。』
 2003年10月上旬某日

 


 
   

  『 ほぼ3ヶ月ぶりの日本行きフライトです。 前回は夏至直後でしたので北極圏上空を夜間飛行しても、
 全く暗くなりませんでした。 秋分も過ぎて今回は“北極夜空”を飛びました。 飛行機が北極圏に入ると、
 空は深い青から、暗黒に変わって来ます。 上空に北斗七星が輝き、水平線に残照が残っていましたが、
 ふと気がつくと、満天の“オーロラ”が広がっています。 今回は高性能デジカメは、持参していないので、
 コンパクト・デジカメで、工夫しながら撮りました。 F2.8露光30秒で、緑黄色のオーロラ光を捉えました。』
 2003年10月上旬某日

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