Web Site Photo Essay Series “
Shimura Hiroshi Cambridge Journal Diary”

 
ケンブリッジ通信 フォト・ダイアリー

 
バックナンバー 025
 



発信元/写真・文・デザイン: 志村博
 

 
   


  『 今回の短い滞在日程で、仙台へ作品展示の打ち合わせに行ってきました。 撮影をする程の余裕は
 ありませんでしたが、晩秋の並木道がとても印象的でした。 下旬になって、東京の街々は、クリスマスの
 イルミネーションが目立つようになりました。 慌しく過ぎてゆく日程の中で、華やぐ都心の夜の街並みを
 カメラを片手に歩く機会は、楽しみの一つです。 イギリスでは、街並み全体を照らすため、自治体が行う
 地域照明の一環ですが、日本では商業団体が営業効果をねらい、個性を競う集客イベントのようです。』
 2003年11月下旬某日


 
   


  『 “ハートランド”の大画面に投影する、新しい映像作品テストのため、六本木ヒルズに行って来ました。
 今回テストしたのは、2台のDVカメラで、同時撮影したパノラマ映像です。 参照、「展覧会・イベント情報」
 テスト投影の後、夜の六本木ヒルズ内を歩いたら、不思議な“イルミネーションの樹木”を見つけました。
 幹や枝が、照明用の光ファイバーに包まれていて、網の目のように覆ったファイバーが、色を変えながら
 光っています。 有機的な樹形と、そのゆったりとしたペースの色光ページェントは、新鮮な感覚でした。』
 2003年11月中旬某日



 
   


  『 早速、下のコラムのオーロラ写真について、問い合わせを頂きました。 冬の季節、北極近くを夜間に、
 飛行する航空機から、オーロラを高い頻度で見る事ができます。 オーロラ光は、時折、煌き揺れるので、
 残照と明らかに違います。 明るく輝くと、肉眼でも淡い色彩を感知できますが、機内の光が、窓ガラスに
 反射していると、気づかない程、仄かな光です。 オレンジ色に染まる雲は、都市の明りか?油井の炎光
 なのかは、不明でした。 上空から見る薄暮の地平線は、いつも色彩とグラデーションの幻想舞台です。』
 2003年11月中旬某日



 
   


  『 いつもの前列・窓側席に落ち着き、快適な夜間飛行でした。 最近は、太陽の黒点活動が盛んなので、
 きっと、満天のオーロラが見られると思っていました。 果たして、見事な緑色のオーロラが現れましたが、
 ちょっと様子が違います。 飛行航路を見たら、かなり南寄りコースを迂回しています。 磁気嵐を避けて、
 飛んでいるのかもしれません。 北極圏に入らないので、オーロラのカーテンが、横に広がって見えます。
 シベリア中部油井地帯の上空では、地上を覆う雲が所々オレンジ色に照らされ、淡い光の競演でした。』
 2003年11月中旬某日



 
   

  『 日が短くなりました。 午後4時前に街灯がつき始め、曇った日は、午後5時には、夜の帳が下ります。
 暗くはなりましたが、穏かでそれ程寒さを感じません。 夕闇が迫る中、舟遊びに興じている人もいます。  
 所用もあり、短い日程で日本に行くことにしました。 14日から23日まで、東京に滞在します。 暫しの間、
 晩秋の英国から離れます。 ケンブリッジ市庁舎前の“クリスマス点灯式”が、11月16日に決まったので、
 残念ながら、今年は見物できません。 帰ってくる頃は、クリスマス・イルミネーションに、華やぐ街です。』
 2003年11月中旬某日



 
   

  『 今年も秋のイベント“ポピー・ディ”に、グランチェスターの教会では、世界の戦没者を悼む「Armistic」
 音楽と朗読の夕べが開かれました。 (参照:ケンブリッジ通信 9号) 私が参加するのは、3回目ですが、
 今回初めてハープ奏者が、加わりました。 ルパート・ブルック“戦争詩”の朗読などがあり、その合間に
 聖歌隊の歌や、パイプ・オルガン、ハープの演奏が、約1時間半行われました。 同じ時間帯に、隣接した
 野で、ガイ・フォークス花火が、打ち上げられたので、その音が聖歌と重なり、爆撃下の祈りの様でした。』
 2003年11月上旬某日



 
   

  『 11月初頭の変り易い天候は、風も収まり穏かになりました。 朝方の冷え込みもなく、霜も降りません。
 スコットランド東部で、11月としては、1940年以来最高の“最低気温”15度を、記録したそうです。 日中の
 気温は、特に高くはないのですが、青空が広がり快適な秋の陽気です。 カレッジが並ぶケム川筋では、
 観光客に代わって、学生達が静かな川面の“パンティング”を楽しんでいます。 秋の深まりで、陽が射し
 込む角度も低くなり、風景の陰影が鮮明になってきました。 川面に映る秋景色も、鮮やかに映えます。』
 2003年11月上旬某日



 
   

  『 ガイ・フォークスの日は、本格的な秋の到来を告げる“火祭り”です。 400年前の国会爆破テロ未遂
 事件を忘れないための“イベント”なのですが、イングランドの夜空を彩る花火が、風物詩になりました。
 (参照:ケンブリッジ通信 13号) 今年も11月5日の夜は、ケンブリッジ市内の“ミッド・サマー・コモン”で、
 花火大会がありました。 穏かな陽気に誘われて、私もカメラを手に夜の緑地へ出かけました。 今年は、
 記録的な人出で、華麗な花火に大歓声があがりました。 今週は、到る所で花火が打ち上げられます。』
 2003年11月上旬某日



 
   

  『 11月になったら、天気が急に変わり易くなりました。 雲が流れ、半日雨降り、半日晴れる有り様です。
 晴れの間をねらって、私の気に入りの場所ケンブリッジ郊外のブナ森に出かけました。 黄葉の季節を、
 待ち構えていたのですが、予想通り、ブナの森が黄金色に輝く瞬間を、カメラに収める事が出来ました。
 森の中に射し込む光が、ブナの黄葉を照らします。 足元は気の早い落葉が積もり、雨上がりの湿気を
 含み、カーペットの上を歩いている様に、ふわふわします。 これから日一日、森は裸になって行きます。』
 2003年11月上旬某日



 
   

  『 日本から帰って来て、久しぶりに歩く“メドー”は、いつも新鮮な感動です。 秋晴れのメドーは、明るく、
 爽やかです。 熱波に沸いた夏は、すっかり影を潜め、冷たい風が吹き渡ります。 夏の間、メドーに集い
 はしゃいでいた人々のざわめきも消えて、川面は静寂に包まれています。 秋の訪れは早く、夜晴れた
 翌朝は、霜も降りますが、木々はまだ色を変えた葉をつけています。 これから、本格的に落葉の季節が
 始まります。 乾いていた大地は、徐々に水気を含み、薄茶色だった草原も、緑色に変わって行きます。』
 2003年10月下旬某日

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