Web Site Photo Essay Series “
Shimura Hiroshi Cambridge Journal Diary”

 
ケンブリッジ通信 フォト・ダイアリー

 
バックナンバー 030
 



発信元/写真・文・デザイン: 志村博
 

    

  『 再び、成田空港に向かうボーイング777型機に、乗り込みました。今回は、最後尾の窓側席に座って
 みました。 いつも、翼より前に座るので、主翼を見ながら飛ぶのは、久しぶりです。 777型機の主翼は、
 “ウィングレット”のない、スマートで鋭利な形をしています。 北極圏上空では、翼の下に氷原が広がる
 光景がゆっくりと暮れてゆきました。 3月の終りだからでしょうか、満席の乗客です。イースター休暇で、
 日本に里帰りする留学生もいるようです。 短い夜の後、翼の下の地平線から朝日が顔を出しました。』
 2004年3月下旬某日



    

  『 去年9月に、グランチェスター・メドーに聳え立っていた“老双柳”(志村命名)の一本が、倒れた事を、
 「フォト・ダイアリー022・023」で紹介しました。 倒れた後、樹皮だけで根と繋がり、葉をつけていたので、
 この春の復活を、期待していたのですが、ついに枝を落とされ、撤去されることになりました。 無念です。
 まだ幹の部分が、メドーに残っています。 これから切られ、どこかの家の暖炉で、燃やされるのでしょう。
 風に飛ばされる白雲が青空に映え、メドーでは、白鳥が草を啄ばんでいます。 明朝、日本へ発ちます。』
 2004年3月下旬某日



    

  『 15年以上にわたり、アトリエとしても親しんできた“リバースデール”を、2月中旬に明け渡したことは、
 「ケンブリッジ通信・18号」で紹介しました。 自宅から、それ程離れていないので、今も、時々訪ねます。
 内部は、まだ改装工事中なのですが、棟梁のアリスターさんとは気が合うので、相談に乗ったりします。
 先日、ついに“伝説の壁”を見つけました。 館の大部分はヴィクトリア時代に建てられましたが、一部に
 さらに、古い年代の壁が隠されていると、聞いていました。 壁面の工事をしている時に、偶然、その壁に
 行き当りました。 藁と土で固めた300年程前の土壁のようです。 この館の歴史発見は続きそうです。』
 2004年3月下旬某日



    

  『 日本は再び冷え込み冬に逆戻りとか! ケンブリッジも強風が吹き、暖かいとは、言えないのですが、
 街角の到る所で、水仙が咲き誇っています。 水仙は、本格的な春の訪れを告げる花として人気があり、
 改良によって、様々な形と、配色の花があります。 引っ越した“アトリエ”の庭を、久しぶりに歩きました。
 懐かしい顔の水仙たちが、庭のあちらこちらで出迎えてくれました。 彼らの“顔”は、決して忘れません。
 カレッジの通路に咲く水仙は、手入れが行き届き、毎年、この時期になると、必ず一度は見て周ります。』
 2004年3月下旬某日



    

  『 いつものギャラリーで打ち合わせが終った後、ピカデリー・サーカスで、友人と待ち合わせをしました。
 中学時代の同級生で、その日の午後、海外出張で日本からロンドンに到着の予定でした。 ホテルから
 連絡を受けて、6時丁度に“エロスの像”前で、会う事にしました。 ところが、地下鉄のトラブルで、友人の
 到着が大幅に遅れました。 暮れ行く空を眺めつつ待ち合わせをする他の人々を観察しながら、日常と
 異なる都会の時間を過ごしました。 その後、中華街で食事をし、テムズ川夜景を見ながら帰りました。』
 2004年3月中旬某日



    

  『 ロンドンへ作品を届けるために、出かけました。 とても暖かく晴れた一日で、作品を無事届けてから、
 次の約束まで、しばらく時間の余裕ができたので、ミレニアム橋を渡りテムズ川の南岸を散策しました。
 旧市庁舎の“カウンティー・ホール”が売却され、水族館や美術館に変ったのは、かなり昔の事ですが、
 そこに“ロンドン・アイ”も加わり、平日なのに観光客で大変賑わっていました。 河岸にはダリ美術館の
 シンボル彫像が聳え、対岸の建物と面白い対比を作ります。 国会議事堂を眺めたのも久しぶりです。』
 2004年3月中旬某日



    

  『 どうも最近は天気がすっきりしません。 時折、晴間も出るのですが、頻繁に雨も降ります。 典型的な
 春先の天候とも言えます。 “晴れた!”と思い、カメラを持って外出すると、必ず雨か雹が降ってきます。
 陽が出ても、空気中に細かい水滴や氷の粒が、浮遊しているせいで、太陽から水平に25度程の位置に、
 彩雲が現れているのを、よく見かけます。 春の進行は一進一退ですが、日本の春は、急に、その気配を
 強めます。 イギリスの春の歩みは遅く、今後は東京よりも、ケンブリッジが暖かい事は、稀になります。』
 2004年3月中旬某日



    

  『 3月になると、ケンブリッジの街中でも、卒業旅行と思しき日本の大学生グループを時々見かけます。
 3月は、日本では卒業シーズンなのですが、ケンブリッジ大学に卒業式はなく、代わりに学位授与式が、
 年に数回、セネタ・ハウス(ケンブリッジ大学講堂)で開かれます。 最も盛大な式は、学年末・夏至の頃、
 6月下旬に、行われますが、冬季の学位授与式も、趣きがあります。 今年のレント学期(1月‐3月)では、
 1月下旬に授与式が行われました。 その当日、偶然街に出かけ、式を撮影した事を、思い出しました。』
 2004年3月中旬某日



    

  『 私が日本に滞在している間、イギリスは晴れて冷え込んだようです。 俄か雪で、一面真っ白になった
 快晴の日もあったと聞き、ちょっと残念でした。 夕焼けも綺麗だったに違いありません。 ケンブリッジに
 帰って来た途端、気温は上がり 曇りの日々が続いています。 久しぶりに晴間が出たので、牧場を歩き
 ました。 牧草は緑を増していますが、牛はまだ放牧されていません。白鳥の若鳥たちが、川から上がり
 主のいない牧場で、のんびり草を、啄ばんでいます。 晴れたので、夜から未明にかけて、冷えそうです。』
 2004年3月上旬某日



    

  『 フライトは順調でしたが、窓からの風景撮影には、747型機よりも窓が高く感じられて、不向きですし、
 前方に、巨大なジェット・エンジンの頭がとび出ていて、ワイド撮影の邪魔にもなります。 エアバス社機、
 A360型と同じく、上空で窓の内部で結露が凍り、視界も妨げられます。 全座席に液晶モニターが付き、
 電話があっても、私にはそれ程メリットもなく、慣れた747型機を、恋しく思います。 暇なので、パソコンで
 遊んでいたら、取り出したCD-ROM面に、射し込む光が反射分光して、美しい虹を窓周りに作りました。』
 2004年3月上旬某日

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