Web Site Photo Essay Series “
Shimura Hiroshi Cambridge Journal Diary”

 
ケンブリッジ通信 フォト・ダイアリー

 
バックナンバー 035
 



発信元/写真・文・デザイン: 志村博
 

    

  『 7月になりました。 ケンブリッジ大学は、一学年が終り、長い夏休みに入りました。 10月の始めまで、
 大学生たちの姿が、街から消えます。 これからは観光シーズンで、ケンブリッジ市中心部の雰囲気は、
 がらりと変わりました。 最近は天候も変り、俄か雨が多く一日何回も雨が降ったり止んだりしています。
 雨の合間には青空が広がりますが、ちょうど日没頃の時間に雲が切れると、雄大な夕景が見られます。
 日は長く、夕景になるのは、午後9時以降です。 夏至を過ぎ、日の入り地点も、南に移動し始めました。』
 2004年7月上旬某日



    

  『 授与式は、3日間終日行われますが、私が顔を出したのは2日目の夕方“Girton College”の授与が、
 行われている時間帯でした。 このガートン・カレッジは、かつて女子カレッジで、近年共学になりました。
 共学になって20年ほど経ちますが、やはり女子学生の数が圧倒的に多いようです。格式が重んじられ、
 大学講堂内での撮影は禁止、学位授与の瞬間を、映像で紹介できません。 授与を受けた学生たちは、
 この日にしか立ち入れない講堂前の芝生で、仲間や家族たちの祝福を受け、
語らい一時過ごします。』
 2004年6月下旬某日


    

  『 ケンブリッジ大学の学位授与式(Degrees)は、年に数回開かれます。 6月下旬、学年末の授与式が、
 最も大規模で、3日間にわたり盛大に執り行われます。 学位を授与される学生たちは、カレッジごとに、
 街の中心部にある大学講堂(Seneta House)に向かい、家族、友人たちが見守る中、ラテン語で古式に
 則り授与を受けます。 今年は2日目の金曜が、晴天に恵まれ、伝統の儀式が映える一日になりました。
 ガウンをまとった大学人や正装した人たちが街を行き交い、時代を超えた荘厳さが、現代に蘇ります。』
 2004年6月下旬某日



    

  『 気温が下がったので、また朝霧が見られるようになりました。 天気が変りやすく早朝に晴れ上がる
 ことは少ないのですが、朝霧に射し込む朝日は、見なれた普段の牧草地を、“輝く水墨画”に変えます。
 淡い霧の層が、川面からあふれ出して、メドーにも金色のグラデーションの帯や、光の軌跡を描きます。
 霧が流れながら消えてゆく速度は、驚くほど速く、撮影している間にも、風景の階調を刻々と変化させて
 しまいます。 朝日が昇り始め、斜めの光線が霧を輝かせる瞬間を見るために“時差ぼけ”状態です。』
 2004年6月下旬某日



    

  『 夏至の頃を境に、天候が変わりました。 気温も、25度前後から一挙に15度前後に下がり、肌寒い程
 です。 「ケンブリッジ通信・19号」を発信しました。 ケンブリッジ大学の学年末、女子学生たちの妖艶な
 ドレス姿が好評ですが、グランチェスター早朝風景にも、多くの反響を頂きました。 その後も、チャンスと
 あらば、メドーに出かけて撮影をしています。 朝日が昇って、帰ろうかなと思う頃、牛たちは起き上がり、
 草を食み始めます。 早朝は寒いのか、日向に出ています。 子牛は、私が気になって仕方ありません。』
 2004年6月下旬某日



    

  『 野生のポピーの花で真っ赤に染まった野を、見つけました。 今までも、偶然現れたポピーの花畑
 出会い紹介したことはありましたが、これほど密度が高いのは初めてです。 地中に眠るポピーの種は、
 土が耕されることによって、突然発芽して開花します。 通常は道端とか、畑に麦などの作物に混ざって
 群生が現れるのですが、ここは畑ではありません。 現在は、使われていない野原のようで、地表をよく
 見ると、最近耕されたような痕があります。勝手に生えた麦や野草の中で、ポピーが断然の優勢です。』
 2004年6月中旬某日



    

  『 ケム川沿いに並ぶ歴史の古いカレッジ群は、競うように大掛かりな演出のメイ・ボールを開催します。
 カレッジ橋や、川沿いの庭はライトアップされ、やっと空が暗くなる午後11時頃に、花火の打ち上げです。
 一晩中、喚声や大音響のライブ演奏は川面に響きわたり、辺りは熱気に包まれます。 短い真夏の夜が
 白み始める頃、宴は最高の盛り上がりです。 早朝の空に、突如飛来した小型飛行機が、発炎筒や旗を
 掲げたハング・グライダーを次々に投下します。 この街で、この時にしか見られない“幻想絵巻”です。』
 2004年6月中旬某日



    

  『 ケンブリッジ大学の学年末“メイ・ウィーク”が、始まりました。 街中で様々なイベントが繰り広げられ、
 沸き立つようです。 その中でも、最も華やかな行事がメイ・ボールです。 これから、数日の間、正装した
 男女が、それそれのカレッジで開催される大舞踏パーティーに参加するため街を歩き、門の前に美しい
 行列を作ります。 宴は夜通し行われ、朝まで騒ぎ踊り明かします。 今年は、例年に比べて気温が高く、
 ドレス姿の女性も、明け方の冷気に震え、男性のジャケットを拝借しなくても済みそうです。 青春爛漫。』
 2004年6月中旬某日



    

  『 夏至まで、2週間足らずになりました。 ミッドサマーの素晴らしい気候です。 この季節を、見逃さない
 ために帰英を急ぎました。 これらの写真はケンブリッジに戻ってから撮影した、夕焼けの写真(左2点)、
 朝焼けの写真(右2点)です。 夕焼けと朝焼けの間は、わずか6時間程です。 日が長くなり、日の出や、
 日の入りの位置も、最北になってきました。 来週には小熱波も、やってくるとか! 朝焼けや、夕焼けの
 撮影だけでなく、「ケンブリッジ通信・19号」の作成も始めました。 当分、睡眠不足の日々が、続きます。』
 2004年6月中旬某日



    

  『 ヒースロー空港に降り立った時は曇りでしたが、その翌日からは、爽やかな好天気が続いています。
 ケンブリッジ大学は学年末試験が終り、学園都市が最も華やぐ季節の開幕です。 早速、ケム川下流で
 始まった“May Bumps”へ出かけました。 各カレッジのボート・クラブから参加した150艇余りが、追撃し、
 ぶつける勇壮なボートレースです。 このユニークなイベントは、私のビデオ・エッセー番組や、HPなどで、
 度々紹介しましたが、今年はビデオカメラは使わずデジタル一眼レフ・カメラだけ持って撮影しました。』
 2004年6月中旬某日

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