Web Site Photo Essay Series “
Shimura Hiroshi Cambridge Journal Diary”

 
ケンブリッジ通信 フォト・ダイアリー

 
バックナンバー 037
 



発信元/写真・文・デザイン: 志村博
 

    

  『 水とおどりの城下町、郡上八幡は、かつて私の日本滞在中活動拠点の一つでした。 十数年前から、
 拠点を東京に移し、あまり来る機会がなくなりましたが、大変なじみの深い場所です。 しかしながら、、、
 夏のこの時期に、日本に来ることがなかったので、有名な郡上踊りを直接見たことはありませんでした。
 今回、ついに念願の“郡上踊り”を体験しました! 徹夜おどりの前でしたが、大変な熱気と、迫力です!
 古い町並みに響くお囃子や、無心に踊る人の波に、深い感銘を受けました。 これぞ、日本の夏です!』
 2004年8月中旬某日



    

  『 夜になって、工場とは反対岸の山腹にあるレストランに招待されました。 山の自然と調和した美しい
 モダン建築に驚きました。 伝統的な合掌の屋根構造が吹き抜けになり、周りの風景が一望できるよう
 継ぎ目のない大きなガラスで囲まれています。 建物は池の上に突き出すように建てられ、日本庭園の
 極意も生かされています。 夕闇が迫る頃、水に映る光が幻想的で、食事をする前に池を一周しました。
 お料理も素晴らしく、都会のレストランでは味わえない、静かな山水に囲まれての、贅沢な食事でした。』
 2004年8月中旬某日



    

  『 岐阜県、郡上大和にあるスクリーン印刷資材工場の開発室で、2005年・志村博カレンダーのための
 最終的な調色作業をしています。 ここは郡上八幡よりも、長良川上流です。 作業の合間、工場の前を
 歩きました。 川との間に水田が広がっています。 この時期、日本に来ることがほとんどなかったので、
 青田を見るのも久しぶりです。 日本中、夏真盛りで暑い毎日ですが、山郷の夏は風情があり、トンボも
 飛び交い、朝夕はもう涼しく、秋近しです。 調色作業の様子は、「展覧会情報」ページに掲載しました。』
 2004年8月中旬某日



    

  『 週末に友人と会うため、久しぶりの横浜へ出かけました。 6年前、ランドマーク・タワー・ギャラリーで
 「ケンブリッジ・キャッツ」の展覧会を開催して以来は、ほとんど行く機会がありませんでした。 “みなと
 未来”地域の約半分は、すっかり様変わりして別世界のようです。 再開発された赤レンガ倉庫や桟橋
 周辺は、かつての港町の面影を蘇らせた新空間です。 ロンドンやリバプールの港湾地区開発と多くの
 共通点もあります。 夕方から出かけたのですが、涼しい海風に快適な散歩や新夜景を楽しみました。』
 2004年8月上旬某日



    

  『 眠っている魚たちをたくさん見ました。 ゆったり漂いながら泳ぎ、えらを動かし、呼吸をしていますが、
 昼間の様子とは違います。 底の方に、じっとしている魚もいます。 輪になって一方向に泳ぐ鰯の群は、
 まちまちの方向に、ふらふら泳いでいます。 魚にまぶたはなく目をつむりませんが、確かに寝ています。
 陸地で、まどろんでいたラッコは、時ならぬ人の気配に「なんだ?なんだ?」と顔を上げました。 仄かな
 明かりでも、デジカメは夜の世界を捉えます。私は夜明かしを遠慮して涼しくなった夜道を帰りました。』
 2004年8月上旬某日



    

  『 サンシャイン国際水族館で、なんと“館内で一夜を過ごすイベント”がありました。参加希望者は多く、
 抽選で当たった親子が、ここでゲームやクイズをしながら夜を過ごし、気に入った水槽の前で寝るとか。
 外に出てもまだ蒸し暑く、深夜の水族館に興味があったので、特別参加させてもらいました。 みんなが
 魚クイズなどをしている間、私は夜間用の照明になった暗い館内を一人で歩きました。 夜の水族館は、
 観客で賑わう昼間とは違い、神秘的な色彩空間が広がっていました。 ひんやり涼しい水中世界です。』
 2004年8月上旬某日



    

  『 到着した大阪は、曇って時々雨が降っていましたが、台風は消え、非常な蒸し暑さでした。 それでも、
 懐かしい友人たち3人と会い、楽しい午後の時間を過ごして、夕方岐阜に向かいました。 その翌日から
 東京に移動して、仕事を続けています。 週末、サンシャイン60展望台で打ち合わせがあり、地上240m、
 日本の夏ならではの眺望に出会いました。 この夜、関東各地で多くの花火大会が開かれ、展望台から
 数ヶ所が見られました。 地上から見上げるのではなく、遠方に球状に広がる花火を高みの見物です。』
 2004年8月上旬某日



    

  『 関西空港に向かうKLM便は、空席もかなりあり余裕のフライトでした。 最近はボーイング777型機が
 多かったのですが、久しぶりの747型ジャンボ機です。 最前部の窓側に座り、撮影には何の邪魔もなく
 機会あるごとに窓からの雄大な光景を映像に収めました。 バルト海上空では発達した積乱雲の柱が
 飛行高度まで達し、側光を受け輝く巨大な彫像群です。 シベリア大陸を横断し日本海を渡り始めた時、
 「近畿地方に突然台風が発生し、悪天候」との情報! 結局、遠回りし1時間遅れて無事着陸しました。』
 2004年8月上旬某日



    

  『 8月になって、最高気温が27度まで上がりました。 日中はちょっと蒸し暑く感じますが、朝夕は快適
 そのもので、早朝の清々しさは何物にも代えがたく、メドーを歩きます。 日が昇る時刻も少し遅くなって
 きました。 パリでは、東京と同じくらいの猛暑になったとか! 今朝、これから私は爽やかなイギリスの
 晩夏を離れて、盛夏の日本に向かいます。 明朝には関西空港に着いているはずで、30年ぶりに直面
 する“日本の夏”に、果たして仕事になるのか不明ですが、それ以上にどうなるのか?興味深々です。』
 2004年8月上旬某日



    

  『 私のアトリエがあったグランチェスターの“リバースデール”では、足場を組み、本格的な工事が進行
 しています。 また、新たな歴史発見がありました。 入口近くのドライブ・ウェイに小さな竪穴が見つかり、
 不思議な地下室がある事がわかりました。 私がもぐり込み隙間にカメラを入れて内部を撮影しました。
 部屋は水で満たされ、木の根が水中に繁茂してしています。 この地下室の存在は、どの記録にもなく、
 目的も不明です。 その形態から、ビクトリア時代の建設らしく雨水を貯める貯水槽?かも知れません。』
 2004年8月上旬某日

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