Web Site Photo Essay Series “
Shimura Hiroshi Cambridge Journal Diary”

 
ケンブリッジ通信 フォト・ダイアリー

 
バックナンバー 040
 



発信元/写真・文・デザイン: 志村博
 

  

  『 9月最後の週末は、曇りがちでしたが、時々晴間も出て穏かな天気でした。 しかし、未明は5度まで、
 気温が下がり、冷え込みが厳しくなりました。 朝晩はタイマーで自動暖房を入れています。 隣の家は、
 暖炉に火を入れ、煙突から初煙です。 日曜の夕焼けは、実に見事でした。 グランチェスターの野原に
 立ち、刻々と変る空の光と色を見つめました。 これから、しばらく夕焼けの美しい日々が続きそうです。
 もうすぐ10月なので、次の日本行き準備も、始めなくてはなりません。 ちょっと忙しい秋が始まります。』
 2004年9月下旬某日


    

  『 わが家のすぐ近くに白亜質の小さな丘があり、その上に不思議な“オベリスク”があります。 天気が
 良かったので、フット・パスを歩き、オベリスクのある頂上まで登りました。 頂上と言っても、海抜約40m、
 家の辺りは15mなので、大した事ありません。 ちなみに、ケンブリッジ市中心部は、海抜 5mくらいです。
 丘は畑と森になっています。 刈り入れが終った畑は、溝のあるローラーで地ならしされています。その
 ローラーの跡が斜めの陽を受けて、くっきりと浮かびます。 まるで巨大な石庭の“枯山水”のようです。』
 2004年9月下旬某日



    

  『 川風は冷たく感じますが、爽やかな秋の一日でした。 ケンブリッジに戻る前に、再びミレニアム橋を
 写真を撮りながら、ゆっくり歩きました。 ライトアップされたビックベン上空には、おぼろ月が昇りました。
 ここからの夜景は素晴らしく、散歩する人や、本格的なカメラで、三脚を立てて撮影している人もいます。
 ケンブリッジ行きコーチ(長距離バス)は、この橋近くのバス停からも乗車することができるので、時間を
 調整するのに絶好です。「ケンブリッジ通信」20号記念増刊版を、発信しました。 ぜひ、ご照覧下さい。』
 2004年9月下旬某日



    

  『 伝統の首都・ロンドンに、奇抜な建物がまた一つ加わりました。 かなり以前から、シティ地区を通る
 たびに、不思議な外観が徐々に現れてくるのを、眺めていました。 ロンドンの“スカイライン”を、変えて
 しまう程のインパクトです。 今回、わざわざこの高層ビルの真下まで行ってみました。 正式の名称は
 ないのですが、ロンドンでは、“ガーキン”(ピクルスにする小さな胡瓜)と、あだ名がついているようです。
 総ガラス張り40階建てのオフィス・ビルで、今年の王立英国建築家協会RIBAアワードを受賞しました。』
 2004年9月下旬某日



    

  『 秋になって、初めてのロンドン行きです。 午後着いたのですが、2件目の約束まで、かなり時間的な
 余裕ができました。 ウォタールー橋辺りから、テムズ川下流に向かって、南岸をゆっくり散策しました。
 思えば、この一角が再開発されてから一度も来ていないことに気づきました。 かつては古い倉庫街が、
 残っていたのですが、今はちょっと洒落たギャラリーやお店になっています。 やはり、水がある風景は、
 魅力があります。 これから、ロンドンに来るときも余裕を持って、新しいロンドンを探訪するつもりです。』
 2004年9月下旬某日



    

  『 最近は風が強く、にわか雨もよく降ります。 虹が出る予感があり、雲り空に太陽の光が射し込むと、
 空を見上げます。 虹が消えないうちに、急いで見晴らしのよい野原に出て撮影しますが、強風は雲を
 飛ばし、儚く七色の帯は霞んでゆきます。 刈り残した麦畑は黄金色に輝き“西洋サンザシ”の潅木は、
 赤い実がついて、遠目に茶色に見えます。 秋らしい配色です。 東京や大阪では、再び真夏日になり、
 観測史上の最多記録になったとか! ケンブリッジでは、朝晩の冷え込みで、もう暖房が不可欠です。』
 2004年9月下旬某日



    

  『 すっかり秋めいて日が短くなり、気温も下がってきました。 しかし、見わたすと色々な所に、まだ花が
 咲いています。 ケム川の岸辺には“ツリフネソウ”が赤紫の花を咲かせ“マルハナバチ”が忙しく花の
 あいだを飛び回っています。 ツリフネソウは蜜が多く、ハチたちの秋の栄養源です。 上部の花弁の形
 から「お巡りさんのヘルメット」とも呼ばれています。 グランチェスターの小道に咲いていた朝顔の種を
 わが家の庭にも蒔きました。 先月から、毎朝青紫の花をたくさん咲かせ、昼を過ぎても、萎みません。』
 2004年9月中旬某日



    

  『 9月初めから続いていた“小熱波”のような好天気は、中旬になって一段落しました。 25度以上も
 あった気温は、平年並みの20度前後に下がり、再び変わりやすい秋の天気になり、強風(Gale)も吹き
 ました。 雲がビュンビュン飛び、晴と雨を繰り返します。 秋分も近づいてきて、日の入り地点も南西に
 移動してきました。 日が沈む時間も早くなり、午後7時には暗くなりはじめます。雲の動きが速いので、
 短い時間に夕景がダイナミックに変化します。 顔に当たる風も冷たく、“夏は終った”と実感しました。』
 2004年9月中旬某日



    

  『 初秋の陽気の中、ヘッジの野イチゴ摘みに最高の季節となりました。 ヘッジ(Hedge)のある風景は
 イングランドの田舎に行けば、どこでも見られます。 グランチェスター・メドーのヘッジにも多くの人々が
 訪れて、ブラックベリーを摘んでいます。 よく見ると、ローズヒップやエルダーベリーの実もたくさんあり、
 色々な種類の潅木が、混生しているようです。 ヘッジは牧場や野などを仕切るため、18世紀以降から
 植えられている生垣です。 ここは私有地なのですが、個人的に野イチゴを摘むのはお構いなしです。』
 2004年9月中旬某日



    

  『 グランチェスター・メドーを散歩していて、放牧されている牛の数が、秋になっても減っていないことに
 気がつきました。 思えば、9月なのに牧草も青々としています。 いつもなら8月後半頃から牧場の草は
 薄茶に色を変えます。 今年の異常な8月の多雨は、牧草が種を飛ばした後も、葉を枯らすことなく、緑を
 保させています。 去年の今頃の様子をフォト・ダイアリー「バック・ナンバー023」で、比較してみました。
 やはり、メドーの緑濃度は大きく違います。 夏の降雨量が、こんなにも秋風景を変えるとは、驚きです。』
 2004年9月中旬某日

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