Web Site Photo Essay Series “
Shimura Hiroshi Cambridge Journal Diary”

 
ケンブリッジ通信 フォト・ダイアリー

 
バックナンバー 041
 



発信元/写真・文・デザイン: 志村博
 

   

  『 鹿児島では、ケンブリッジに留学していた友人たちが出迎えてくれました。 彼らと一緒に、幕末維新
 動乱期の史跡や資料館を巡りました。 薩摩藩・島津家の西欧技術への憧憬や、薩英戦争の史料など、
 この地とイギリスとの関係を示す展示も数多くあります。 かの薩英戦争では、英側の人的損害の方が、
 大きかった史実に、驚きました。 天候にも恵まれ、眼前の桜島は圧巻で、刻々と色調を変えゆく夕景は、
 美しく、撮影に没頭です。 夜は総勢10名になり、郷土料理を賞味しつつ、英国談義に花が咲きました。』
 2004年10月中旬某日



    

  『 久しぶりに、九州に来ました。 今年の春に部分的ながら開業した九州新幹線“つばめ”のおかげで、
 短い日程のなか、ついに憧れの鹿児島まで来ることが出来ました。 日本で一番新しい九州新幹線は、
 ちょっと違う雰囲気です。 オレンジ色の座席の背や肘は木製で、テーブルのないシンプルなデザインに
 感服です。 しかも、トイレの入口には暖簾まで掛かっています。 機能一辺倒でなく、暖かく、斬新です!
 台風が去った後も、秋雨前線の影響で全国的に曇り空のようですが、鹿児島だけは例外で快晴です。』
 2004年10月中旬某日



    

  『 強力台風が首都圏に迫った頃、私は間一髪で東京を離れ、結婚式列席のため神戸へ移動しました。
 久しぶりの“日本の結婚披露宴”です。 神戸の夜景が一望できる会場で、光の演出や、式次第進行の
 見事さは、やはり日本です。 新郎は知人の息子さんで、彼が16歳のときにイギリス留学のお手伝いを
 しました。 成長した彼や家族との再会は楽しく、花嫁の感涙は美しく、隣に座ったハンガリー留学生の
 女の子は愛らしく、華やかで、寛いだ一時を過ごしました。 台風は神戸を回避。 若き二人に幸あれ!』
 2004年10月上旬某日



    

  『 到着した関西空港から、東京へ直行することにしました。 大阪は曇天でしたが、“特急はるか”から
 新幹線に乗り換えるため降りた京都では、白雲浮ぶ青空です。 しばらく時間があったので、駅構内の
 空中経路などを歩き、摩訶不思議な古都の“青空空間”を体験しました。 快晴状態は、東京まで続き、
 爽やかな秋日和です。 所要で立ち寄った新宿では、都庁展望台に登ってみました。秋の空気は澄み、
 遠く房総半島や三浦半島まで見渡せます。 ケンブリッジを出て約24時間、変化に富んだ長旅でした。』
 2004年10月上旬某日



    

  『 航空機は、シベリア南部の油井地帯を通過し、バイカル湖の南辺りから、モンゴル上空に入りました。
 いつもでしたら、夜明けの頃、機は南下しているので、左舷から太陽が雲の層を透かして現れる光景を、
 見られるのですが、機体の向きが東に変わり見えません。 その後、中国から黄海に抜け、韓国上空を
 通過して、関空に向かいました。 予定飛行コースからも、大きく外れています。 理由は、分かりません。
 日本海から中国山地を越え、逆光の瀬戸内海国立公園や四国を眺め、ほぼ時間通リ、着陸しました。』
 2004年10月上旬某日



    

  『 9月の終わり頃から、太陽の黒点活動が盛んになっていることを、日本からの衛星TV番組の転送に
 障害が出ていることで、知りました。 こんな時期に、夜の北極圏を飛ぶと、極地に降りそそぐ太陽風で、
 満点のオーロラが見られるはずです。 残念ながら、飛行機が南寄りのコースをとったので期待は外れ、
 最北地点で淡い薄緑色のオーロラ光が、確認できただけでした。 北斗七星も、いつもより低い位置に
 輝いています。 機は安定して、ほとんど揺れません。 試しにデジカメで10秒露光したら、映りました!』
 2004年10月上旬某日



    

  『 日が沈んで、空の色調が不思議なグラデーションになると、地平線にオレンジ色の点が現れました。
 よく見ると月です。 半月ですが、光の回折現象で少し歪んでいます。 半月は、地平線上を彷徨うように
 しばらく留まった後、ゆっくり北の空に昇りました。 月の動きがいつもと違います。 不審に思ったので、
 モニター画面で、飛行予定航路を確認してみました。 南寄りのシベリア上空コースを飛んでいるようで、
 ほとんど北極圏内を飛行しません。 今回は、ある“光景”を期待しつつ、搭乗したので、やや不満です。』
 2004年10月上旬某日



    

  『 日本に向かうフライトは、空席も目立ち余裕でした。 関空行きKLM機は“747型”で窓からの撮影に
 適しています。 いつもの最前列窓側席に落ち着き、1万メートル上空の風景を、眺めながら飛びました。
 北ヨーロッパ上空では、前方に同じ航路を飛ぶ航空機があるようで、窓の外ではふやけた飛行機雲が 
 上下しながら、浮いています。 対流圏の最上部を飛んでいるので、ほとんどの雲は眼下にありますが、
 飛行機雲と積乱雲の頭 だけは、同じ高さで見られます。 北上に伴い、太陽は早いペースで傾きます。』
 2004年10月上旬某日



    

  『 日本に発つ前日の朝、時おり激しい雨が降りましたが、午後になったら、カラリと晴れ上がりました。
 準備などで慌しい時間を割いて、近くの野へ散歩に出ました。 畑の向こうの線路は、時々明るい色の
 列車を走らせます。 8月の多雨で収穫をしなかった麦畑は、無造作に刈り取られていました。 所々に
 残った麦穂は、西日に照らされ揺れています。 日没時間も日々早くなり、午後6時には陽が沈みます。
 戻ってくる頃には、秋色がさらに濃くなっていることと思います。 明朝、ヒースロー空港に向かいます。』
 2004年10月上旬某日



    

  『 10月になって少し暖かくなり、再び20度近くになりました。 天気は変わりやすく、晴と雨を繰り返して
 いますが、ややゆっくりしたペースです。 ケンブリッジ大学の新学年が始まり、街に大学生たちの姿が
 戻ってきました。 それと時期を合わせたように、夏だけの短期滞在者や観光客の大群が、消えました。
 街は、いつもの落ち着きをとり戻し、日々秋が深まって行きます。 私は秋のプロジェクトが進行し、また 
 日本に旅立ちます。 滞在は6日から26日の約3週間です。 今回も関空を使い、日本中を移動します。』
 2004年10月上旬某日

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