Web Site Photo Essay Series “
Shimura Hiroshi Cambridge Journal Diary”

 
ケンブリッジ通信 フォト・ダイアリー

 
バックナンバー 042
 



発信元/写真・文・デザイン: 志村博
 


    

  『 今回、北海道まで足を延ばした理由の一つは、大学時代の友人・斉藤浩二氏の誘いでした。彼は、
 私と同じく、大学院まで進みデザインを学んだ仲間です。 故郷の札幌で、ランドスケープの設計をする
 会社を率い、北海道を中心に公園・街路のデザインで数々の賞を受けました。 イサム・ノグチ設計で、
 「グットデザイン大賞」に輝く“モエレ沼公園”の造園は彼が担当していて、ガラスのピラミッドを起点に、
 園内を案内してくれました。 札幌市内では、イサム・ノグチの滑り台がある中央公園や、旧道庁などの
 開拓史時代の建物を見て歩き、私の「田舎も見たい」との要望で、石狩湾岸のドライブにも行きました。』
 2004年10月下旬某日



    

  『 巨大な台風が、再び日本列島に迫り、関東に雨が降りしきる中、私は東北新幹線で急北上しました。
 仙台で雨は上がり、青森では夕焼け空になりました。 八戸で、特急白鳥号に乗り換え、青函トンネルに
 入りました。 世界最長の海底トンネルです。一番深い所は海抜-240mあり、海底に駅まであるのには、
 驚きました。 不思議な地底空間です。 トンネルを抜けた列車は、函館湾の“漁火”を見ながら走ります。
 函館駅で、日本海経由・大阪行き夜行寝台列車とすれ違い、陽気な修学旅行の学生たちを撮影です。』
 2004年10月中旬某日



    

  『 夕方になり、仕事を早く切り上げてくれた友人が、散策に加わりました。 イギリス留学時代の思い出
 話しをしながら、上流にむかって歩き、亀山公園の山に登りました。 穂津川下りの舟や、嵯峨野トロッコ
 列車を、遠く眺め、京の名勝“嵐山”や“穂津川渓谷”の、いにしえの姿に、想いを馳せました。 渡月橋の
 周りは、あまりにも観光地化され、交通渋滞と騒音の渦です。 私も現代人です。 東京に帰る新幹線の
 時間を気にしながら、夕闇の迫る嵐山を、後にしました。 京都駅まで見送ってくれた友よ、ありがとう!』
 2004年10月中旬某日



    

  『 所要で関西に行く際に、どうしても京都に寄り道したくなり、嵯峨嵐山に来ました。 三年坂辺りを歩く
 つもりだったのですが、週末で、久々の快晴とあらば、大混雑が予想され、風情を楽しむのは無理です。
 嵐山近くの太秦に住む友人の薦めもあって、生まれて初めての“嵐山観光”です。 やはり、ここも人が、
 多かったのですが、秋の桂川河畔は自然に溢れ、広がる青い空と、陽を受けて輝く川面は爽快でした。
 暑くも寒くもなく、雨も降らず、散策は快適です。 俗っぽい観光名物や人波を離れ、川原を歩きました。』
 2004年10月中旬某日



    

  『 訪れた日は、偶然に“ライトアップ日光・2004”イベントの初日でした。 暗闇に寺社や参道が、特設の
 ライトで照らし出されます。 面白そうなので、夜まで待ちました。 石灯籠には、明かりが灯され、照明を
 浴びた歴史的な建造物や、杉の巨樹が、昼とは全く異なる表情を見せています。 三脚で、撮影している
 カメラマンも多く見かけます。 今回は、短く急な訪問だったので、東照宮内部や日光国立公園の周辺を
 観ることはできませんでしたが、一人気ままに、深い森の散策や、稀有な日光の夜景を、満喫しました。』
 2004年10月中旬某日



    

  『 九州から東京に戻り、しばし雑用に追われていましたが、関東地方に停滞していた秋雨前線は去り、
 見事に晴れ上がりましたので、急に思い立ち、昼から日光へ出かけました。 それほど時間的な余裕は、
 ないので、奥日光はあきらめて“二社一寺”の森を、カメラ片手に、歩き回りました。 山間に傾く太陽に、
 空気はひんやりと冷たく、紅葉には早すぎましたが、都心とは違う秋の深まりを感じます。 巨大な杉が、
 聳える薄暗い森は、私には新鮮な感覚で、深紅と深緑の色彩コントラストが、異なる時空へと誘います。』
 2004年10月中旬某日



    

  『 海響館には、巨大な潮流水槽を始め、独自で、様々な展示工夫があり、見飽きることはありません。
 私的には、シーラカンスの実物が大きなホルマリン槽に浸かっているのが気に入りました。 もちろん、
 生きて泳いではいませんが、絶妙な照明が施され、浮んでいる様は、シュールで、怪奇さも、漂います。
 主要な展示ではありませんが、確かな存在感です。 渦潮や大波の中を魚が泳ぎ、地元の特産である
 ふぐ専門展示室などもあり、水族館も個性豊かに変わりつつあるようです。 水嶋氏の仕事に乾杯!』
 2004年10月中旬某日



    

  『 アクアシアターのショーは微笑ましく楽しいものでした。 イルカやアシカが、芸を披露するのではなく、
 人と動物が、一緒になって演技をしている感じです。 ストーリーは他愛のない冒険物語ですが、大人も
 魅入られて、子供と一緒に喚声をあげています。 水嶋氏の話では、海外の水族館関係者も多く視察に
 来られるそうで、イルカ、アシカ、人が一体となった演劇が、主流になりそうです。 調教の仕方が、他とは
 違うのだとか。 シアターはオープン・スペースで、背景の関門海峡では、次々と船舶が行き交います。』
 2004年10月中旬某日



    

  『 門司港から、小さなフェリーに乗って下関に渡りました。 下関側のフェリー乗り場に隣接して、新しい
 水族館ができています。 これは下関市立の水族館で、以前は違う場所にありましたが、台風で大きな
 被害が出たことを契機に、数年前、この場所に新しいコンセプトの施設“海響館”として開館されました。
 建設当初から全面的に携わったのが、友人の水嶋氏です。 彼が下関に移った後も、東京で会うごとに 
 苦労話を聞いていました。 ついに彼の仕事を見ることができます。 スナメリ君も愛らしい出迎えです。』
 2004年10月中旬某日



    

  『 北九州市小倉で、懐かしい友“ミスズとマサ”に会いました。 20数年前、ケンブリッジに滞在していた
 仲間です。 ミスズは、その当時ケンブリッジにできたティー・ルーム“Aunty's”に感動し、紅茶と料理の
 勉強をして急遽帰国、小倉北区に同じ名前のティーとスコーンの店“アンティー”を開きました。 その後、
 度々訪れましたが、この10年ほど、九州に来る機会がなく、ご無沙汰してました。 お店も、英国風になり、
 こだわりの専門店です。 今も変わらない二人と、昔話をしながら、楽しい“アフタヌーン・ティー”でした。』
 2004年10月中旬某日

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