Web Site Photo Essay Series “
Shimura Hiroshi Cambridge Journal column”


ケンブリッジ通信 フォト・ダイアリー
  
バック・ナンバー 005
 


発信元/写真・文・デザイン: 志村博

 

    

 
『ケンブリッジに帰ってきて早々ロンドンのアート・フェアに顔を出したり、忙しくしていましたが、やっと
 落ち着きました。 ロンドンでの様子などは「展覧会情報」ページを参照して下さい。 やはりイギリスは
 暖かい。 気温は東京とあまり変らないのですが、乾燥していないので生暖かく感じます。 庭の所々は
 もう春の花で一杯です。 スノードロップはもう盛りを過ぎ小さな種をつけ始めていますし、クロッカスは
 満開で、ミツバチが花粉だらけになりながら飛び回っています。 日本で収録したTV番組の放映日が
 決まったようです。 2月21日(木)午後8時半頃から“朝日ニュースター”です。 詳しくは、いつものHP
 「ビデオ・TV番組」ページを覗いてみて下さい。 番組内容も紹介しています。』 2002年2月中旬某日


    

  『日本でのTV収録など日程を終えて、再びイギリスに戻る機上の人となりました。 今回も慌しく過ぎ、
 ゆっくり友人達と会う余裕もなく、かなり心残りでした。 でも、3月にまた日本に来ることにしています。
 昨年の9月以来、久しぶりの満席状況でしたので、運良くビジネスに移れました。 常連客として、時々
 この恩恵を受けます。 ビジネスのサービスもこの数年変ってきました。 食事も以前のようにコースでは
 なくトレイで来るようになりました。 簡素化されていますが、より美しく盛り付けされていて一時寛ぎも
 味わう事も出来ました。 窓からは日光の中禅寺湖や戦場ヶ原が見下ろせました。 日本列島を横断
 する通常のコースなのですが、毎回微妙に飛行ルートが違います。 男体山の火口をこんなにはっきり
 覗けたのは今回が初めてです。 でも、さすが華厳の滝は見えませんでした。』 2002年2月上旬某日  


    

 
『この前コラムで機上から見た“オーロラ”について紹介しましたら、問い合せを、幾つか頂きました。
 そこで話題を続けます。 オーロラの出現は太陽の黒点や気象との関係もあり、いつも見られるもの
 ではありません。 しかも、機上から見るためには、北極の方角を向いた窓際に座る必要があります。
 主翼より前が視界も広く、エンジン気流の影響もないので鑑賞に向いています。 可能性があるのは
 北極に一番近い頃で、この時間帯は映画上映などもしていて、窓のブラインドは下ろされています。
 時々開けて、地平線に淡い光を探します。 頭から毛布を被り、ガラスに映る機内の光を遮断したら、
 目が暗さに慣れて来て、オーロラだけでなくその上に広がる星空や、オーロラ光に照らされた氷原が、
 幻想的に浮かんできました。 私はいつも窓際に座るようにしています。 窓からの風景を時々撮影して
 いると長いフライトも退屈せず、 あまり疲れません。 皆様も、お試しあれ。』 2002年1月下旬某日
 

    

 
『イギリスを発った日、北ヨーロッパ全体が曇り空でした。 いつもは眼下に広がるバルト海の島々は
 雲に隠れていました。  飛び立って数時間経った頃でしょうか、機内は映画が上映されていて照明が
 落されています。 もしやと思い、窓のブラインドを開けて外を覗きました。 オーロラ・極光です! 北極の
 地平線の一部に淡い光の帯が揺れています。 間違いありません。 噂には聞いていたのですが、
 ついに見ました。 しばらくして、もう一条のオーロラの帯が地平線一杯に弧を描いて広がり始めました。
 その上は満天の星空が、下には北極圏の凍てついた大地や大河が、とこまでも続きます。 絶景です!
 残念ながら、光量が足らず映像に収めることは出来ませんでした。 飲物を配っていたスチュアデスに
 訊ねてみたら、窓を覗き「こんなオーロラは初めて!」と言っていました。 後でパイロットに確かめたら、
 冬は良く見られるそうです。 オーロラは約1時間で消えてまた暗い空に戻りました。 到着の2時間前に
 なってやっと地平線が白み始めました。 冬の北極回り日本行き便は殆どが暗闇の中を飛ぶのです。』
 2002年1月下旬某日
 


    

  『ケンブリッジは年始の冷え込みが嘘のような、暖かい日が続いています。 日中の気温が10度前後に
 上り、夜も比較的穏やかです。 人々は暖房費が節約できると喜んでいますが、氷点下にならないので、

 夢のような霜の冬景色は、見ることが出来ません。 アトリエ前のフィールドも、単調でグレイな風景が
 広がっています。 今日はコートも着ずにメドーの散歩に出ましたが、なんとなく、もの足りませんでした。
 日本でも、しばらく暖かい日が続いているとか。  1月22日から約2週間半の日程で、日本に行きます。
  去年のものと比べ、大幅にイメージが変った今年のカレンダーも、概ね好評のようです。 新設ページ
 「2002志村博カレンダー」で、テーマのグランチェスター風景の説明や、季節の情報を発信しています。』
 2002年1月中旬某日


 
   

  『10年程前から、欧州主要国で日本のTV番組を、衛星放送で見ることが出来るようになりました。
 イギリスでも毎日、日本のニュースが同時刻に流れています。 1月8日、NHKニュースは「小泉首相が
 60歳の誕生日を迎えた。」と報じ、BBCニュースは「宇宙物理学者のスティーブン・ホーキング博士が、
 60歳の誕生日を迎えた。」と報じていました。 2人は全く同じ日に生まれたことになります。 博士は、
 ケンブリッジの学者で、特殊な会話装置がついた車椅子姿を、街でも時々見かけます。 上の映像は、
 かなり以前のものですが、私が“筋萎縮症研究基金”の協力をしていた頃に、博士の属するカレッジで
 撮影しました。 ホールに掛けられた肖像画の下で、同僚と会話をしながら晩餐をとっている後姿や、
 メイ・ボールに参加し学生たちと談笑する様子などが、私のビデオ・カメラに多く収められていました。
 博士は21歳の時に、不治の病である進行性筋萎縮症を発症しますが、世界的な業績をあげながら、
 60歳でなお旺盛な活動を続ける“奇跡の人”です。 さて、小泉氏は“奇跡の人”になれるでしょうか。』
 2002年1月中旬某日 


  
  

 グランチェスターから、ケム川を3キロ下流に下るとケンブリッジ市の中心部に到ります。 年始は
 天気が良かったので、川沿いの小路を歩いて街に向かいました。 午後には、気温も上がり霜も消え、
 樹氷の朝とは一変します。 街に近いこの川筋では、ガチョウの一群とよく出会います。 彼らはペットで、
 川沿いの家で飼われているのですが、全くの放し飼いなのでケム川畔で神出鬼没です。 この時は、
 屋外プール近くの川べりで、のんびり冬の日を浴びていました。 ガチョウは見ていて、ユーモラスで、
 愛嬌があります。 でも、大きな声で鳴くので番犬代わりに飼う家もあるとか!』 2002年1月上旬某日


    

 
気象庁の発表によると、先月は晴が多く、日照時間が記録的な長さだったとか。 その流れなのか、
 今年になってからも快晴の日が続いています。 夜は放射冷却現象で冷え込み、1月の始めとしては、
 異例の−8度まで下がりました。 そのため、日が昇るとメドーでは夢のような、冬景色が見られます。
 川面から発生した霧が、川辺の木の枝々に凍りつき白く縁取ります。 この霧氷に朝日があたると、
 まるで薄紅色の花が一面に咲いたようになります。 残念ながら、このような光景は、あまり見る事が
 出来ません。 明け方に、ここまで気温が下がることが珍しい上に、日が高くなれば、霧氷は解け始め、
 1時間足らずで“夢の花園”は消えてしまいます。 1月2日の朝、美しい樹氷が見られました。 刻々と
 消えて行く光景に、寒さも、撮影するのも忘れ、しばし見惚れていました。』 2002年1月上旬某日


    

 
あけましておめでとうございます。 多くの方から年賀状を頂きました。今年の干支は午なのですね。
 そう言えば、アトリエの前に広がる野原には晩夏から冬にかけて、午=馬が放牧されています。 今年は
 2頭ですが、3頭のことが多いようです。 いつも、庭に落ちているリンゴを投げてあげるので、私の姿が
 見えると遠くからでも駈けてきます。 友好的で仲良しなのですが、写真に撮られるのは嫌いでカメラを
 向けると、ちょっと離れて意識します。 かなり恥かしがり屋です。 イギリスは年末から冷え込んで、
 各地で積雪のニュースが流れています。 ケンブリッジでは積雪はないのですが、大晦日・元日と晴れ
 上がり、夜は−5度位まで、気温が下がりました。 朝方は霜が降りて、一面の銀世界になりますが、
 午後には、殆ど消えてしまいます。 この快晴と寒さは三ヶ日続きそうです。』 2002年1月上旬某日


    

 
クリスマスの日は、冷たい小雨が降ったり止んだりの生憎の一日でしたが、私はいつものように、
 メドーへ散歩に出ました。 ほとんど、誰とも出会わなかったのですが、驚いたことに、ケム川では
 カヌーを楽しんでいる人がいて、川岸を歩く私に “メリー・クリスマス!”と挨拶を、投げてくれました。  
  その翌日は“ボクシング・ディ”です。 この日は、前日とはうって変わって、晴天の一日でした。
 クリスマス・パーティーに飽きた人たちが、どっと野外に繰り出し、メドー は夏のような賑わいです。
 ケンブリッジとグランチェスターを結ぶフット・パスは、行き来する人が途切れません。 この2日間は、
 殆どの交通機関が止まり、店も閉まります。 他にする事もないのです。』 2001年12月下旬某日

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