志村博 「ケンブリッジ通信」 フォト・ダイアリー / バック・ナンバー 052


 バックナンバー 052 


    

  『 朝起きたら、草の上に薄っすらと雪が積もっていました。 昼間は気温が高いので、何回も雪が降り
 ましたが、全く積もりません。 夜間に、気温が下がったようです。 朝のうちに、積雪はほとんど融けて、
 断続的なにわか雪にも関わらず、雪景色は消えてしまいました。 ブナの森に行ってみました。 朝日の
 あたらない西側の斜面にだけ、雪が残っています。 この西区画は1992年に、野生動物のために植林
 された混成林ですが、やはりブナが中心です。 陽が射し始め、見る見るうちに雪が融けてゆきます。』
 2005年2月下旬某日



    

  『 イングランド南部で、かなり広範囲に積雪があったようです。 ケンブリッジ州は、統計的にも積雪が
 少ない地域です。 今回もここだけ雪がほとんどなく、心配された積雪の交通渋滞は起きませんでした。
 ケンブリッジの北に広がり“フェン”と呼ばれる平地を、車で走りました。 走行中、激しい吹雪のような
 降雪になり、見晴らしのよい場所で車を止めました。 雪雲が去り、撮影を始めましたが、驚いたことに
 一面の雪は消え、畑から湯気が立っています。 幻雪です。 明朝イギリスを発ち、日本へ向かいます。』
 2005年2月下旬某日



    

  『 イギリスで再び雪の予報が出ていますが、ケンブリッジを出発する朝、積雪もなく、空港まで順調に
 着きました。 晴れ間も出て、比較的に穏やかな朝でした。 成田までの搭乗手続きを終え、ラウンジで
 寛いでいました。 ところが、経由地のオランダが悪天候でアムステルダム便が遅れるとの案内です。
 濃霧などの影響で、乗り継ぎに支障が出たことがあったので、いやな予感ですが、覚悟を決めました。
 結局フライトは約3時間も遅れ、予定の乗り継ぎ便に間に合いません。 いつもと違う旅の始まりです。』
 2005年2月下旬某日



    

  『 日本と比べれば、大した積雪もないのですが、ヨーロッパ全体で航空便に影響がでているようです。
 航空会社がいくつか別ルートを提案してくれた中で、オランダ1泊・翌朝のパリ経由便を選択しました。
 ちょっと面白そうです。 今までスキポール空港のターミナル外に出ることは少なく、この機会に、欧州
 最大の“ハブ空港”を見学することにしました。 学生時代からオランダのデザインに興味があったので
 空港地下駅から上階の出発カウンターまで、空間構成やサイン・色彩計画などを、じっくり拝見です。』
 2005年2月下旬某日



    

  『 KLMが用意してくれたホテルは、空港から高速道路で10分程の距離にありました。 途中は細かい
 雪が舞っていましたが、積雪もなく、渋滞もありません。 ホテルは部屋も広く快適でした。 私1人では、
 勿体ないくらいです。 他にも乗り継ぎを翌日に変更した乗客が多く、空港でも、ホテルでも、普段なら
 言葉を交わすこともない乗客同士が話しに興じ、楽しそうです。 遅延も悪い事ばかりではありません。
 食事も豪華でした。 オランダ名産ニシンの酢漬けなども食べ放題だったので、つい食べ過ぎました。』
 2005年2月下旬某日



    

  『 翌朝、アムステルダムからパリに向かいました。 スキポール空港にはEU内移動用のターミナルが
 別にあり、その中を歩くのは初めてです。 思ったより広く、青い“シー・フード・バー”が洒落ています。
 パリまでは、わずか1時間のフライトです。 CH.ドゴール空港は、開港当時その流線的なデザインが
 話題になり利用したことがありますが、それ以来の懐かしい空港です。 成田行きのAF機は、甲虫の
 背をイメージした巨大ガラス屋根のFターミナルからの出発で、搭乗まで、仏的感性の白い時空です。』
 2005年2月下旬某日



    

  『 エア・フランスはKLMエリート・メンバーの私に最前列ビジネス席をアレンジしてくれました。 前には
 ファースト・クラスが12席ありましたが、誰も乗っていません。 隣も空席、滅多にない余裕の飛行空間
 です。 機内食のメニューや食器もKLMと比べ一味違います。 前菜にはフォラグラ、朝食はクレープを
 賞味しました。 夜間飛行で期待のオーロラは現れませんでしたが、北極の地平線に漂う淡い青光が、
 6秒露光で“衛星画像”のように浮びました。 丸1日遅れで日本に着いたら、なんと!東京積雪です。』
 2005年2月下旬某日



    

  『 東京は冷え込み、未明は氷点下の寒さです。 池袋サンシャインで打ち合わせがあり出かけました。
 サンシャイン事業部と同じビル内に、テーマ・パーク“ナンジャタウン”があります。 夕方から、友人も
 来てくれたので、久しぶりに中を歩きました。 昭和20年代の東京下町を模した街角が、気に入りなの
 ですが、最近は食品テーマ館?に変貌し、足が遠のいていました。 レトロ+アナログ的空間に仕掛け
 られたデジタルな遊び心が面白く、以前は時折来ました。 友人は初めてなので、楽しんでくれました。』
 2005年2月下旬某日



    

  『 サンシャイン60“スカイ・ギャラリー”で1994年に個展を初開催して以来、今回で第9回目になります。
 そんな関係で“サンシャイン国際水族館”を頻繁に訪れ、最近はフォト・ダイアリーにも話題を掲載して
 います。 ちょっとした時間つぶしのことが多いのですが、毎回飽きることはありません。 この10年間も、
 水族館は絶えず進化してきました。 回遊水槽での“餌付けタイム”も工夫されて、よりエレガントです。
 水中を移動しつつ、見ている子供たちと語り合いながら魚たちと戯れる。 私も魚に囲まれ、潜りたい。』
 2005年3月上旬某日



    

  『 今回、水族館に入ってびっくりしたのは、世界初の試み?“水中漫才”なるものです。 平日なのに、
 たくさんの人が水槽の前に集まっています。 若手芸人コンビが、魚に邪魔されたりしながら、水中で
 掛け合いをしています。 動きが不自由で、声がこもるのも、宇宙的浮遊世界ナンセンスなのでしょう。
 私は屋外の“ZOO-ZOO広場”で、間近で見るペリカンやペンギンの宇宙的表情に、魅入られました。
 この水族館こそが、都心のビル10階にある異次元小宇宙なのかもしれません。 今後も、注目です。』
 2005年3月上旬某日

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