Web Site Photo Essay Series “
Shimura Hiroshi Cambridge Journal column”

 
志村博のケンブリッジ通信・更新コラム
 
バック・ナンバー 006

 


発信元/写真・文・デザイン: 志村博

 

    

  『日本からは、記録的に早い桜開花のニュースが伝わって来ます。 前のコラムでお知らせした早咲き
 の桜、プルナスは、もうほとんどが散って若葉が出始めています。 ケンブリッジでは実に様々な種類の
 桜が見られます。 我庭の“カンザン”や“天の川”などはまだ開花していませんが、川沿いのカレッジに
 植えられている桜が満開状態です。 イースター休暇はまだ先なのに、ここ数日の暖かさで、ケム川は
 パンティング(舟遊び)を楽しむ人達で賑わっています。 まだコートを着ている人もいる反面、夏が来た
 のかと思わせる“出で立ち”の若者が川面ではしゃいでいます。 さて、のんびりケンブリッジの春を
 眺めていたいのですが、明日より2週間の日程で日本に行きます。 東京は“花冷え”の寒さで、桜の
 開花期間が長くなりそうとか、日本でも“お花見”が出来そうですね。 』 2002年3月下旬某日



    

  『ケンブリッジ大学では全学一斉の“卒業式”を行いません。 年に数回“学位授与式”がカレッジごとに
 街の中心部にあるセネタ・ハウス(大学講堂)で執り行われます。 その日は学位を授与される学生達が
 カレッジからセネタ・ハウスまでの道のりをガウンの正装で“行進”します。 この様子は何百年も変らない
 伝統の光景です。 6月下旬の学年末が、学位を授与される学生の数も多く盛大ですが、早春に行われる
 この時期の授与式は、日本の卒業式シーズンを彷彿させます。 今年は、23日穏やかな日和に恵まれて、
 カレッジの重鎮に引率された学生達が、誇らしげに街を練り歩きました。 』 2002年3月下旬某日



    

  『ここ数日は暖かく穏やかな日和なのですが、雨降りと晴が交互にやって来ます。 ケンブリッジの年間
 降雨量は日本の平均降雨量の約半分です。 イギリスは雨が多いように思われがちですが、長雨がない
 ので、降雨量は少ないのです。 一日中雨が降り続くことは、滅多になく “降っては止み”を繰り返します。
 今日は時々激しく雨が窓に吹き付けました。 外では黄色い水仙や、ピンクのアーモンド、紅いボケなど、
 春の花が雨に濡れて揺れています。 雨粒が付いたガラス越しに、庭を眺めるのも悪くありません。』
 2002年3月中旬某日



    

 
『イギリスでは“春は子羊のようにやってきて、ライオンのようにかけ抜ける”と言われますが、まさに
 この言葉のように、3月始めの穏やかな日々は一転して、強風で変わり易い天気になりました。記録的な
 大風はケンブリッジでも大暴れをしました。 木が倒れ送電線を切断したため、停電やケンブリッジ近郊の
 鉄道が一時的に不通になる事態も起こりました。 しかし、台風と違って大雨は伴わないので、青空の中、
 雲がびゅんびゅん飛ばされて行く光景も見られます。 山がないので、広い空を見渡せます。 少し風が
 収まった時には、野に出て雲を眺めます。 遠く雲の下で“にわか雨”が降っているのも分かるのです。』
 2002年3月中旬某日



 
   

  『 3月は、天気が変わり易いのですが、今年の南イングランドは暖かく安定した天候で始まりました。
 カレッジの裏庭のクロッカスは、白と紫が入り乱れて咲き誇っています。 名物の“枝垂れ柳”は新緑に
 染まり始めました。 トリニティ・カレッジの川縁では、山高帽のポーターが飛来した野生の雁にパンを
 やっていましたし、セント・ジョン・カレッジの川縁では、カレッジ付属の小学生達が、真紅の制服姿で、
 「春」を写生していました。 最近、私が見つけた“ケンブリッジ春景色”です。』 2002年3月上旬某日



    


  『 前コラムで、ティー・ガーデンのプルナス満開を話題にしましたが、厳密には“プルナス”は学名で、
 桜・桃などバラ科・落葉高木の総称です。 一般的に早咲きの野生種をプルナスと呼び、庭木や果樹を
 それぞれの名で区別しているようです。 しかし、同じバラ科の梨や林檎とは違います。 花の雌しべは
 1本で、一つの実から、種が一つ出来るのが特徴です。 花の色は白、ピンクがあり、2月の終わりから
 咲き始めるので“冬桜”とも言われます。 まだ寒い早春に、突然小さな可憐な花をたくさんつけるので、
 遠くから見ると、雪か霜のようにも見えるのです。 3月上旬になると街中でも、いたる所でプルナスの
 満開風景が見られます。 イギリスで人気の庭木桜“カンザン”や“天の川”より、1ヶ月早い満開です。』
 2002年3月上旬某日



 
   

  『 3月になって、急に気温が上った訳ではありませんが、週末にティー・ガーデンに行って驚きました。
 いつの間にか、白いプルナス(バラ科)の花が満開状態になっています。 そこだけ雪が降ったようです。
 ティー・ガーデン「ジ・オチャード」は、名の示すように、かつて“果樹園”であった場所ですが、林檎の木に
 混ざって色々な木が植わっています。 と言うよりは、このプルナスは自生で、鳥などによって運ばれた
 種から、ここまで大きく育ったのでしょう。 林檎の花は4月の終わりにならないと咲きませんが、一般に
 プルナスは早咲きです。 しかし、3月初日に満開とは早い! 先週の強風も収まり、春本番の陽気です。
 ティー・ガーデンでは、水仙も咲き、週末は野外で一足早く花見とティーを楽しむ人で賑わっていました。』
 2002年3月上旬某日



    

 
『 2月末日は素晴らしい晴天になりました。 大した用事は無かったのですが、好天気に誘われケム川
 沿いに、散歩をしながら街に出ました。 ミル・ポンドと呼ばれる、ケム川が街に入る辺りの船着場には、
 パント(平底舟)が係留されています。 冬の間は岸に積み上げられていたのですが、シーズン到来で
 川に移され、舟の掃除などをしています。 それにしても、いつもより1ヶ月近く早い! イースター休暇が
 始まるのは、まだ先です。 気象庁発表によると、今年2月の平均気温は、過去10年で最高であったとか。
 カレッジ裏庭(バックス)の川筋を歩いていたら、気の早い観光客が“初川遊び”を楽しんでいました。』
 2002年2月下旬某日



    

 
『庭には、ボケ(木瓜)の潅木が数本あります。 今年も、2月初めからゆっくり蕾が膨らみ始めて、今は
 たくさんの花をつけています。 ボケも梅のような実をつけるので、同じ梅の種類だと思っていましたが、
 果たして、両方ともバラ科の植物でした。 花の色も、白と紅と両方あって、梅と同じく、めでたい感じが
 します。 早春、まだ風の冷たい日々、真丸い蕾が膨らんで行くプロセスを見ていると、春が近くまで
 来ている事を実感します。 地表の草花だけでなく、地上の木々にも“春の彩り”が広がって来ました。
 昨夜は“春一番”の強風が吹き、各地で倒木などの被害もありました。 いよいよ春本番の到来です。』
 2002年2月下旬某日



     

  『イギリスの春は、暖かいと思ったら、また冬に逆戻りしたりと、油断できません。 今日は快晴の青空
 から突然雪が舞い始め、次の瞬間には吹雪のような光景になり、30分後にはまた青空に戻る豹変を、
 数回繰り返しました。 イギリス中部では雪が積もったようですが、ケンブリッジでは積もりませんでした。
 そんな日でも、アーチャー家の愛猫“スタンレー”は相変わらず元気に、アトリエに通ってきます。 庭で
 遊んでいることが多いのですが、暖かいときは、日向でうつらうつらしています。 寒くても活発な猫です。
 さて、ついに
「ケンブリッジ通信10号 記念増刊版」を発信しました。 創刊から2年半、ついに10号になり
 ましたので、これを記念して内容も増量しました。 ぜひ、覗いてみて下さい。』 2002年2月下旬某日

 改行位置は文字サイズを “中(M)” に設定して構成されています。


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