バックナンバー 062 


    

  『 ケンブリッジにも雨が降り、気温は20度まで下がりました。 時々激しく降ったので、庭用に雨水を
 貯めるタンクは、満杯になりました。 当分の散水に
十分な量で、安心して日本に行くことができます。
 ひんやりと涼しくなった朝、空港に向かい、いつものフライトに搭乗しました。 機内は、満席でしたが、
 事前に確保しておいた“窓席”に落ち着き、長い空の旅の始まりです。 北ヨーロッパ上空は、夏季の
 光景で、海上をレジャー・ボートが疾走、熱波で霞んだ空気を透し、整然とした耕地が延々続きます
。』
 2005年6月下旬某日 062-01



    

  『 今回のフライトの機材は、日程の関係で“B-777”になりました。 窓からの撮影には不向きですが、
 最前列の右側の窓席なら、かなり広い写角がとれます。 下界に広がる景色を眺めながら、興味ある
 光景に出会ったら、カメラを取り出し撮影します。 そのおかげで、長いフライトも、あまり
退屈しません。
 地上を覆う雲の形や質感は様々で、大気の流れや地表の天候を、彷彿させます。 北シベリア低地の
 沼沢地帯では、谷間の雪もほとんど消えました。 北極圏夏到来、全く暗くならない“夜間飛行”です
。』
 2005年6月下旬某日 062-02



    

  『 ヨーロッパから日本に向かう北極圏フライトで、南側の窓席に座るのは久しぶりです。“B-747”では、
 
エリート会員優先の客室が最前方の左側にあり、冬季はオーロラが見られるため、いつも北側の席に
 座っています。 北側の席では、北極圏から南下しながら日本海に向かうときに、雲層を透して太陽が
 昇る瞬間を見ることができます。 しかし、今回は反対側で、青い雲海が朱色に染まる光景を見ながら、
 明るい夜が明けました。
長いフライト、777機の最新設備で、映画「オペラ座の怪人」も楽しみました。』
 2005年6月下旬某日 062-03



    

  『 日本に着いてから、しばらく“制作”に集中していて、全く外出していませんでした。 一段落したので、
 案内を頂いた“猫”の銅版画作家、佐藤恵美さんの展覧会に出かけました。 共通の友人で、版画家の
 早川純子さんや、画廊のオーナーで、グラフィック・デザイナーの鳥井氏と、おしゃべりを楽しみながら、
 すっかり長居です。 ギャラリー“愚怜”は、本郷・東大赤門の向かい側に
ある、和風でなごやかな画廊、
 佐藤さんの版画作品と雰囲気が合います。 道に面し、次々とお客さんが入ってきて、賑やかでした
。』
 2005年7月上旬某日 062-04



    

  『 画廊を辞した後、反対側の赤門から、ふらりと東大の構内に入ってみました。 何年ぶりでしょうか!
 とても、懐かしく不思議な感覚です。 かつて大学紛争の時代、母校である東京教育大学は、機動隊に
 よる封鎖が行われ、教官や学生たちは閉め出されました。 その頃、東大構内に同級生たちと、篭った
 ことがあります。
時が流れ、ケンブリッジに在住して30年、英国の最高学府・ケンブリッジ大学を、日々
 見てきました。 30数年後、日本の最高学府・東京大学の中を歩き
、文化の違いに思いを馳せました。』
 2005年7月上旬某日 062-05



    

  『 東大の本郷キャンパスは広く、歩いたのは、“赤門”近くだけですが、“三四郎池”に下りてみました。
 都心とは思えぬ閑静な佇みは、昔と変わりません。 池の辺に、咲き残ったアジサイが一輪、鮮やかな
 青を放ち、散った花弁も、暗がりに淡く浮びます。 東京大学と、ケンブリッジ大学、画期的なイメージの
 違いは、どこから来るのでしょうか? そんなことを考えながらの東大散策です。 その考察は、先月より
 発信を開始したブログ、志村博の“Cambridge Express”に、掲載しています。
ぜび、投票クリックを!』
 2005年7月上旬某日 062-06



    

  『 1週間前、成田に到着した頃の“蒸し暑さ”に比べたら、東京は涼しくなりました。 しかし、梅雨空で
 雨が多く、
雲が垂れ込めています。 六本木ヒルズから東京タワー方向の夜空は、イルミネーションの
 光が、上部の雲に反映してオレンジ色です。 “ハートランド”では、7月から新しい展示が始まりました。
 今年の秋以降に、私の映像投影と作品展示が予定されています。 詳しい日程は、次回の案内です。
 2006年カレンダーの製版が終わりました。 色校正が刷り上がるまで、1週間ケンブリッジに戻ります。

 2005年7月上旬某日 062-07



    

  『 空港へ向かう朝、雨も上がり晴れ間が覗きました。 予報では、晴れて気温が30度以上になるとか。
 出発が定刻より遅れましたが、いつもの“指定席”に落ち着きました。 今回の機材は、747型機なので、 
 私の前には広いスペースがあり、離着陸の合間だけ乗務員が座ります。 談笑しながらの“離陸”です。
 冬季に比べると、夏季は全体的に薄雲がかかっていることが多く、地上の様子は、鮮明に見えません。
 雲間から見たシベリア北部の沼沢地帯では、洪水が起きているようで、膨らんだ川や湖が光ります。

 2005年7月上旬某日 062-08



    

  『 シベリアの夏を実感したのは、“洪水”だけではありませんでした。 いつもは、気流は安定していて、
 機体が揺れることは、ほとんどありません。 窓から雲の表面を見ていたら、段々、起伏が大きくなって、
 ついには、蔵王の“樹氷群像”のような林立状態になりました。 そのうち、機体が上下左右に、細かく
 揺れ始め、“ベルト着用サイン”が点きました。 この辺りは一直線に飛ぶところですが、左右に方向を
 変えながら、大きな積乱雲を避けているようでした。 すり抜ける積乱雲群が美しい“迫力飛行”です

 2005年7月上旬某日 062-09



    

  『 多少揺れたものの、シベリア大陸を北極圏をかすめつつ横断し、バルト海を南下する通常航路で、
 北ヨーロッパに到達しました。 乗り継ぎ地オランダの上空は快晴で、所々白雲が浮び、雲のすき間を
 通り抜けながら高度を下げ、空港に接近しました。 成田での出発が遅れましたが、乗り継ぎ時間が、
 短くなっただけで、ロンドン・ヒースロー空港には、予定時刻の到着です。 ロンドンは小雨、気温20度、
 シャツだけで到着した私には、少し肌寒く感じ、身が引き締まります。 今夜はぐっすり眠れそうです

 2005年7月上旬某日 062-10


 
 改行位置は文字サイズを “中(M)” に設定して構成されています。
  時間の流れは、最新版とは逆に“上から下”に再編成されています。








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