『イギリスに帰って来た頃の暖かい天候は終り、いつもの変わり易い春空に戻りました。 冷たい風が 吹いて目まぐるしく空模様が変ります。 “晴”と“俄雨”が繰り返し、雲がビュンビュン飛んで行きます。 家の中にいても、外が急に明るくなったり暗くなったりする度、何気なく窓から空を眺めます。 雨上がり には虹が出ていたりもします。 夕焼け雲もきれいです。 ついつい、撮影のため外に飛び出しますので、 アトリエでの作業が進みません。 しかし、時折り降る雨は乾燥した菜園の土にも、沁み込んで行きます。 庭の緑も鮮やかになって来ました。 そろそろ花や野菜の苗を植える頃です。』 2002年5月上旬某日
『成田空港を飛び立った朝は、急に冷え込んで寒いくらいでしたが、スタンステッド空港に下り立った時、 暖かいので驚きました。 汗ばむほどです。 春分を過ぎ夏時間になっているので、午後8時頃まで明るく、 イギリスにも本格的な春が来ているようです。 日本に行く前から、庭木の桜、“カンザン”は咲いていた のですが、葉を広げながらも、まだ満開の花をつけています。 “カンザン”はイギリスの風土に適合して いるらしく、到る所で大きく枝を広げ、ボリュームのある花をつけています。 我家の庭やティー・ガーデン の片隅でも、目を瞠るようなピンクの花塊を風に揺らしています。 これから“明るい季節”の始まりです。』 2002年4月下旬某日
『再び、イギリスに戻る空の旅です。 今回は隣りが空席だったので、ゆったり飛ぶことが出来ました。 機内は、ほぼ満席状態で、オランダにチューリップを見に行く団体旅行客で一杯でした。 オランダ上空 では色とりどりのチューリップ畑が見下ろせたのですが、ロシア上空・モスクワの北方数百キロ辺りの 森林地帯に刻まれた白い線のパターンがとても新鮮でした。 雪解けの微妙なこの時期にだけ見られる のでしょうが、一体何なのか具体的には解りません。 果樹園の中を巡る道に雪が残って白く浮き立って いるのでしょうか? 果樹園だとしたら何の果樹だろうか? 興味深々でした。』 2002年4月下旬某日
『1万キロの移動を終えて再び日本に下り立ちました。 去年の秋は空席ばかりだったフライトも、今年の 春からは超満席状態で、希望日に予約を取るのも大変になりました。 テロ以降、国際便の乗客低迷で、 日本−ヨーロッパ間の便数を減らしたところに、日本からの団体旅行客の数が急速に回復したからの ようです。 ワールド・カップもありますし、しばらくは日本便の“満席状態”が続きそうです。 航空業界に とっては良い事でしょうが、合理化で乗客へのサービスも確実に低下しています。 今回も、いつもの席に カメラを持参して座りました。 シベリア上空の夜明けでは、不思議な色彩の日の出風景を撮影しました。 今回の短い日本滞在では、新しいビデオ・エッセイ・シリーズのTV収録をする予定です。 シリーズでは、 ここ数年の日本−イギリスの往復フライトで、機上から撮ったDV映像も紹介します。乞うご期待です。』 2002年4月中旬某日
『4月中旬に入ってから、天気は良いのですが、肌寒い日が続いています。 暖かい日本から帰って来た ので余計に感じるのでしょうが、春は進行中です。 アトリエ前の野原に出て目を瞠りました。去年は麦を 植えていた畑が、今年はマスタード畑になり、すでに一面黄色いカーペット状態になっています。 近年は マスタード(西洋辛子)よりも、菜種が多くなっているので、搾油用アブラナかも知れませんが、4月中旬に 咲き始めるとは、例年より一足早い“黄色絨毯”の出現です。 これから、約1ヶ月間、背丈を伸ばしながら、 次々と花が咲いて種を付けてゆきます。ケンブリッジ一時帰宅は寛ぎつつも、忙しく過ぎてしまいました。 明朝には空港に向かいます。上空から黄色の畑が点々と見え始める頃です。』 2002年4月中旬某日
『久しぶりにケンブリッジの春に再会しました。 このイースター休暇中は殆ど雨が降らなかったようで、 予報通り“好天気”が続いていたようです。 しかし、庭の土はカラカラに乾いていました。 また来週には 日本に逆戻りします。 風は冷たく朝晩は冷え込みますが、ひと時イギリスの春を堪能しようと思います。 向かいのティー・ガーデンでは、アフタヌーン・ティーを一足早く樹下で楽しむ人たちで、賑わっています。 ふくらみ始めた林檎のつぼみの中には咲き始めている房もあり、林檎の開花も例年より早そうです。 来週にはまた日本に向かい1万キロの移動をしなくてはなりません。 このように短い日程で行き来する のは不本意なのですが、ワールド・カップ時期の混雑を避ける為の特別日程です。 後半の日本滞在は 1週間なので、4月下旬にはケンブリッジに戻って来ます。 その頃は、きっと林檎の花園満開状態です。』 2002年4月上旬某日
『慌しい日程で前半の日本滞在を終えてイギリスに戻って来ました。 再び、機上の人となりましたが、 幸いにもゆったりとした座席で、眼下の光景を楽しみながら北極圏ルートを飛びました。 ヨーロッパに 向かう直行便は地球の自転に逆らうので、春分から秋分の間の北極回りでは、午前中に飛び立てば、 太陽が地平線に沈むことなく約11時間後に到着します。 日本に向かった際は南寄りコースで“黒海”の 上を飛行しましたが、帰りは通常のコースで北極海ヨーロッパ寄りの“白海”上空を飛びました。 南岸の 周辺では、氷結も緩み流氷パターンが、北極にも春の訪れを告げていました。 フィンランド南部では所々 地表の雪が解けてまだら模様になっていました。 農作業も始まっているようです。 今回の日本滞在は、 忙しい毎日でしたが、東京デザインセンターの「花の宴」や10周年記念パーティーに招かれ、久しぶりに 会う友人達や、各界で活躍する方々と、楽しい時間を過ごすことも出来ました。 忙中“楽”有りでした。』 2002年4月上旬某日
『とうとう、4月になりました。 日本に着いた日は寒かったのですが、一挙に“初夏”のような陽気です。 ケンブリッジを発つ前日に、知人を訪ねてあるカレッジの裏庭を通りかかり驚きました。 このカレッジは 比較的新しいカレッジで、街の中心から離れています。 こんな庭の奥まで入り込んだのは、久しぶりで 最近整備された一隅でもあったので、ここに様々な水仙が一面に植えられた事を、知りませんでした。 人影もなく、春風に揺れる満開の水仙群にしばし見惚れ、携帯していたデジカメで撮影しました。 例年 なら、4月上旬の光景なのですが、イギリスでも今年の春の進行は早いのです。 日本で仕事の合間に、 持参したデジカメのメモリーに残っていた画像を開いて、つい見入ってしまいました。 イギリスは現在、 イースター休暇の最中です。 エリザベス女王の母君が101歳で亡くなったとか、80歳の誕生日を記念 して行われた植樹キャンペーンの証書に私の写真が採用された、20年昔の事などを、思い出しました。』 2002年4月上旬某日