Web Site Photo Essay Series “
Shimura Hiroshi Cambridge Journal column”

 
ケンブリッジ通信 フォト・ダイアリー
 
バックナンバー 008

 


発信元/写真・文・デザイン: 志村博
 

 
   
     
  『久しぶりに牛飼いマイケル・ブレットさんと出会いました。 ブレットさんと牛達は「ケンブリッジ通信」9号
 に登場しています。 例年なら初夏の6月中旬頃から、グランチェスター・メドーに牛が放牧されるのですが、
 今年は4月中旬から放牧されています。 ブレットさんに、このことを訊いてみたら、今年は牧草の状態が
 良く、2ヶ月も早く牛を入れたそうです。 牛達はブレットさんの周りに集まり牛用の“櫛”で梳いてもらって
 気持ち良さそうです。 久々の再会で、話が弾み時の経つのを忘れました。 順番を待ちきれない牛達が、
 私にもなついて、鼻を押しつけてきます。 おかげで、私の散歩用のズポンは、牛の涎で“べとべと”です。
 この後、隣りの牧場に移された牛達は、新しい牧草が、とても嬉しいらしく“馬”のように走り回りました。』
 2002年6月上旬某日



 
   
     
  『ついに、6月になりました。 先日、久しぶりに“日英協会パブ・ミーティング”に、顔を出しました。 会員に
 なって20年は経つ最古参なのですが、近年講演中心の文化活動が激減し、パブで集まる親睦が中心に
 変ってからは出席する回数が減りました。 しかも、ケム川沿いの情緒のあるパブから、街中のパブに
 移ってからは、ますます足が遠のいていました。 今回は午後8時半頃まで、夕焼け空の撮影をしていて、
 そのままパブに向いました。 9時過ぎまで外は明るかったのですが、パブから出た10時半にはすっかり
 街は暗くなっていました。 持参していた最新のデジカメで古い街並みを撮りながら駐車場に戻りました。
 淡い街灯の光に浮かぶ“伝統の街路”の面白さに、改めて気付かされました。』 2002年6月上旬某日



 
   
     
  『今年はキンポーゲの“当り年”のようです。 仲間たちと会うたびに、黄花畑の出現が話題になります。
 友人の話しで、ここのキンポーゲは2種類あることを、初めて知りました。 背の低い早咲きキンポーゲは
 約半月前に、グランチェスター・メドーを一面黄色に染めました。 5月の終わりになって、背の高い種類が
 満開を迎えています。 街中に近い“コー・フェン”と呼ばれるメドーは、今が盛りで黄色に輝いています。
 新緑と黄色のコントラストは鮮やかで、人々を明るい気分にさせます。 もうすぐ、学生達も“学年末試験”
 から解放されます。 晴れた日のメドー、花園を楽しむ人々に笑顔が溢れます。』 2002年5月下旬某日



 
   
     
  『毎年、5月下旬 “ケンブリッジ・ビア・フェスティバル”なるものが、街の中心にある緑地で、大テントを
 設営して行われています。 週末の午前中、市内のケム川筋を撮影していた時に、俄か雨に遭いました。
 晴れていたのに、突然黒雲が頭上に現れ激しい雨を降らせました。 私は、近くにあったこの大テントに、
 駈け込みました。 ビア・フェスティバルは、夜に盛り上ります。 朝っぱらから、飲んでいる人などいないと
 思いきや、陽気な面々が出迎えてくれました。 長居をすると飲まされそうな雰囲気なので、早々に退場
 することにしました。 外に出たら、雨は上がっていて、黒雲は遥か遠くに去り、青空が広がっていました。』
 2002年5月下旬某日



 
   
     
  『最近は、空を良く見上げます。 天気図には、晴・曇・雨が組み合さった“マーク”が、連日並んでいます。
 典型的な、晩春の変わり易い天気です。 青空の中を、ドラマティックな雲の塊が、刻々と形を変えながら
 飛んでゆきます。 黒い雲の下にはいると、パラパラと雨が降り、次の瞬間には、日光が差し込みます。
 この地方は平坦で、山らしい山は一つもありません。 どこまでも広がる空の下で、表情豊かな雲たちを
 見ていると、時の経つのを忘れます。 レーダーによる天気図を見てみると、直径数キロから10キロ位の
 大きさの雲たちが点在し一方向に動いています。 まるで、川面に浮かぶ落ち葉が流れて行くようです。』
 2002年5月下旬某日



 
   
     
  『雉が繁殖期を迎えているようで、庭が騒がしい。 雄雉たちはお互いの縄張りを主張して、庭の一角で、
 睨み合い、時には戦いが始まります。 近所の猫が、あきれて草の陰から見ています。 雉は野生ですが、
 この時期あまり人を恐れません。 成鳥は猫より強いらしく、猫の方が遠慮しています。 雌雉は地味で、
 庭の植込みなどに潜んでいるので、うっかり踏み込むと、突然足元から飛び立たたれ、驚かされます。
 雉は元々アジアに生息する鳥です。 18世紀、狩猟用にイギリスに連れて来られて以来、全国に広がり
 我が物顔で闊歩しています。 菜園の小松菜を無断で啄ばむのは奴等です。』 2002年5月下旬某日



 
   
     
  『天気予報通りには、続いていた“小夏日”は終りませんでした。 夜、雨は降ったのですが、週末も
 好天気です。 天気図を見ると、予報通りイングランドはほとんど厚い雲に覆われています。 しかし、
 ケンブリッジのある東アングリア地方だけ、ぽっかりと雲が切れています。 日曜日、ケンブリッジから
 ケム川沿いに延びるフット・パスは、好天に誘われた人たちが、続々とグランチェスターを目指しました。
 ティー・ガーデン「オチャード」では、デッキ・チェアーが足りずに、草の上でお茶を飲んでいる人も大勢
 いました。 今年1番の混雑状況で、まるで本当の夏がやって来たようです。』 2002年5月中旬某日



 
   
     
  『天気予報通りに、気温は27度までは上がりませんでしたが、25度です。 朝から広がっていた青空は、
 夕方には湿気を含み、薄く霞んで来ました。 午後5時過ぎになって、久しぶりに“カヌー”を出しました。
 晩春のケム川カヌー散策は、風もなく、川面をゆっくり滑るように進みます。 グランチェスター・メドーの
 丘は所々キンポーゲで黄色く染まり、夕方の柔らかい光を浴びて人々は草上で寛いでいます。 学生は
 学年末試験を控え、準備に余念がありません。 しかし、平日にもかかわらず、みんな心から、つかの間の
 小夏日和を楽しんでいました。天気予報では、明日の夜から雨が降り“小夏日和”は終わるそうです。』
 2002年5月中旬某日



 
   
     
  『ケンブリッジはこの所、急に暑くなりました。 天気予報では、ミニ・ヒート・ウェーブ(小熱波)なんて
 言っています。 ケム川でカヌーをしている人を見たら上半身裸です。 明日の午後には、気温27度まで
 上がるとか! 川岸の“西洋サンザシ”は真っ白な花をつけています。 去年の秋は真っ赤な実を一杯に
 つけていた潅木です(バック・ナンバー002 参照)。 あれから季節は巡り、また夏に一歩近付きました。
 「ケンブリッジ通信・第11号」最新版は、ほとんど完成して最後のテストをしています。 予定通り、20日に
 “発信”出来そうです。 週末には、また平年並みの気温約20度に戻るとか。』 2002年5月中旬某日



 
   
     
  『しばらく曇りがちの天気が続いていたので、気がつきませんでしたが、知らぬうちにケム川沿いの
 メドーは、金鳳花(キンポーゲ)の黄色い花で埋めつくされていました。 少し前までは、緑の草の間に、
 黄色い点が散りばめられている程度でしたが、今は一面の黄色です。 イギリスでは“バター・カップ”と
 呼ばれ、艶やかな花弁が雲間から出た太陽の光を花の中心に集めています。  さて、本日 5月9日、
 新しく始まった 「志村博のビデオ・エッセイ」 シリーズ・第1作目が放映されました。 大型連休明けで、
 日本からの連絡が間際だったので、このコラムで事前告知が出来ませんでしたが、ご希望頂いた方々
 にはメールでお知らせ致しました。 新シリーズ楽しんで頂ければ幸いです。』 2002年5月上旬某日

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